2011年04月04日

生ゴミ処理で緑あふれる街づくり!コンポストの取組inインドネシア#5

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スラバヤ市のRungkut Lor通り周辺は、緑にあふれています。まるで家どうし競い合っているかのように、植え込みには様々な種類の草花が並んでいます。なかには、傷を直す薬草も栽培されてます。この地域で園芸が盛んになったのは、生ゴミのコンポスト化が、ある発明によって、ぐっと進んだからなのです。


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その発明品とは、以前の記事でもご紹介した家庭用のコンポスト装置「タカクラバスケット」。これが開発されたのは2006年。それまでは、緑はなく、道にゴミがあふれていました。しかし、バスケットが普及するにつれてゴミは減っていき、いまでは、美しい地域として、市から表彰を受けるまでになっています。


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こちらは、地域の婦人会。主に就学前の乳幼児の世話などを行っていますが、タカクラバスケットの普及にも携わっています。

婦人会メンバーのひとり、Marianaに、バスケットの使用感を尋ねました。
「もちろん、ゴミを減らすのに役立ってます。それから、趣味で園芸をやっているんですが、腐葉土を買う必要がなくなりました。コンポストによって、いい土が無料で手に入るんですから」


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しかし、すべての家で、この「魔法のバケツ」が使われているわけではありません。歩いて聞いた限りでは、10軒に1軒ほどの普及率でしょうか。中には、買ったけれども、放置して使っていない、という家庭もありました。

「『かき混ぜるのが汚くてさ』『いままでとちがう事をやるのは手間がかかるよ』という声があるのは事実です。でも、道にポイ捨てをしていては、ずっと臭い暮らしのまま。わたしたちは、きちんとゴミの処理をすることの意義に気づいていく必要があると思います」

カンボジアでは、ゴミをゴミ箱に捨てる事、分別する事を伝えるのに、行政官が手こずっていましたが、インドネシアでは、地域に住む人びと自身が推進していく、という一歩進んだ段階のようです(もちろんインドネシア国内での地域差はかなりありますが)。


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帰り道、通りの壁に、コンポストの意義を伝える絵を見つけました。

posted by 瀬戸義章 at 00:34 | Comment(1) | 7カ国目「インドネシア」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月02日

環境教育はギターを弾きながら。コンポストの取組inインドネシア#4

前回の記事でご紹介した、スラバヤ市の環境NGO"PUSDAKOTA"は、小中学生向けに、定期的に環境教育を行っています。ときには、マドゥール島など、市外にまで出張して講座を開くこともあるそうです。たびたびこなしているだけあって、随所に工夫が見られました。



なにしろ、まずはギターを弾いて、みんなで歌うところからはじまるのですから。いきなりこの盛り上がり。ノリのいいお国柄もあるのでしょうが、子どもたちを引きつけることに力を入れている結果です。その後、ゲーム感覚で班分けをしてから、グループごとに施設見学をしていきます。


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スタートは朝の9時。お昼までの3時間での特別授業。きょう教わるのは近所の小学校、SITI AMINAHの5年生です。


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施設をまわりながら、有機ゴミと無期ゴミの違い、処理方法、コンポスト、植物の育て方、水の浄化方法などについて学びます。


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「これはなんだか分かるかい」
「「「タカクラー」」」
おお、家庭用コンポストの「タカクラバスケット」については知名度が高いです。


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途中で早弁を挟むのがインドネシア流(?)。こちらの始業は早く、午前6時にはじまる小学校もあります。そりゃあお腹が空きますとも。


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お母さん方にも料理が振る舞われました。スタッフお手製の肉団子。


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今日の授業についての感想は、
「いろいろあって面白かった」

posted by 瀬戸義章 at 02:12 | Comment(0) | 7カ国目「インドネシア」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月31日

環境NGO"PUSDAKOTA" コンポストの取組inインドネシア#3

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これはインドネシアの伝統的な市場。たくさんの野菜や果物、肉、魚が並びます。そして、野菜屑や、解体された鶏や豚の、臓物・骨などが捨てられていきます。そうした生ゴミは、都市ゴミの半分以上を占めています。このゴミをきちんと処理するために、インドネシアではコンポスト化の取組に力を入れています。

スラバヤ大学のNGO "PUSDAKOTA"は、スラバヤ市で活躍するNGOの一つです。スラバヤ大学に所属していて、コンポスト・水質浄化の研究と環境教育を中心に活動しています。


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写真は、敷地内にあるコンポスト工場。近くの民家200世帯から集めた生ゴミを、破砕機で細かくしてから、土と混ぜます。堆肥化が進んでいる土は、定期的に、温度が高くなりすぎないよう、攪拌する必要があります(微生物の作用で土壌の温度は70度にも達します)。ここで作ったコンポストは、1kgにつき1,000インドネシアルピア(約10円)で、農家に販売しています。

PUSDAKOTAは、2000年に活動を開始しました。当初は、集めた生ゴミがうまく堆肥化できず、腐敗してひどい悪臭を放ち、大学から、やめろ、と非難を受けたこともあったそうです。

そんな中でも、より効率的に、コンポスト化ができるように研究を進め、2006年に北九州市の技術移転先となり、前回ご紹介したタカクラバスケットを共同開発しました。

現在はバスケットの普及に努めており、2009年は約1,000個、のべ10,000個以上販売しています。スタッフは22名。うち2人は現役の大学生です。


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敷地内ではコンポストを使って野菜を育てています。


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生ゴミ処理だけでなく、水質浄化にも取り組んでいます。大学のトイレの浄化もしています。


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タカクラバスケットより多くの生ゴミを堆肥化できるように、攪拌しやすい箱を発明しました。

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なんとローカルなラジオ放送もやっています。オフィスの中にスタジオがありました。


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このNGOに見学へ行ったのは、ちょうどお昼時。スタッフが集まっていました。食事の前に、あるテーマ(生命など)に基づくスピーチをして、お祈りを捧げた後にランチとなります。

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もちろん、食べ終わったあとは、生ゴミをすぐに回収。コンポストにすることは忘れません。


posted by 瀬戸義章 at 02:18 | Comment(2) | 7カ国目「インドネシア」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月29日

生ゴミを消す魔法のバケツ! コンポストの取組inインドネシア#2

インドネシアのスラバヤ市で生まれた「魔法のバケツ」が、生ゴミ対策の切り札として注目を集めています。

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一見、洗濯物カゴのようなこの箱、通称「タカクラバスケット」。株式会社ジェイペックの研究員である高倉氏が、スラバヤ市のNGOとともに開発した、生ゴミをコンポスト化する容器です。北九州市の技術協力プロジェクトの元に実現しました。


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タカクラバスケットの利点大きく分けて二つ。ひとつは、早くコンポスト化できること。通常であれば生ゴミを堆肥化するのに2〜3ヶ月かけていたのが、この容器を使えば、2〜3週間でコンポストにできます。


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もう一つの利点は、安価であること。洗濯物カゴや段ボール、もみ殻など、かんたんに手に入るものを組み合わせて作れられています。現地の販売価格は、一箱120,000インドネシアルピア(約1,200円)です。


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堆肥化はきわめて簡単。生ゴミを入れて、移植ごてでかき混ぜるだけ。化学反応が進んでいて、土が温かくなっています。もっともコンポスト化に適した温度は60〜70度だとか。


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かき混ぜたあとは、保温のために、もみ殻を入れたネットをかぶせます

このタカクラバスケット、2010年末に「ガイアの夜明け」でも紹介されていました。『〜世界を救う ニッポンの技術スペシャル〜』。道に積み重なっていた生ゴミが、このタカクラバスケットを導入したことにより、見事に消えたとか。

しかし、このバスケットを、すべての家庭で、毎日使ってもらえているのか? 普及には課題もあるようです。次回は、コンポストの普及啓発に取り組むスラバヤ大学の環境NGO PUSUDAKOTA(プスダコタ)をご紹介します。


posted by 瀬戸義章 at 16:07 | Comment(0) | 7カ国目「インドネシア」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月28日

道路の穴で生ゴミ処理? コンポストの取組inインドネシア#1

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インドネシアのジョグジャカルタ市では、よく道に穴が開いています。この、小さなマンホールのようなものが、あちこちにあります。住宅街の小道や玄関先でよく見かけます。いったい、何に使うのでしょうか。

ところで、インドネシアの廃棄物対策で、いちばん悩ましいのが、生ゴミ。都市ゴミの割合を見ると、50%以上が生ゴミと言われています(『資源環境対策 2007年11月号』)。そのため、各地域で、生ゴミをコンポスト化する取り組みが進んでいます。


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そう、この穴も、実はコンポストのための装置「ビオポリ」。道路にパイプが埋まっていて、ここに生ゴミを入れるだけで、2,3ヶ月経てば堆肥が作れる!

……たぶんそういう意気込みで設置されたのだと思います。うまくコンポスト化できれば、特殊な棒を使って取り出すそうです。

そんな面倒なことが続くのか、とか、そもそも堆肥にならず腐敗しそうだ、とか、雨が降ったらどうするんだ、とか、いろいろ思うところはあります。

そしてこのコンポスト装置、4,5年前に敷設されたものの、現在では使われていないそうです。あ、やっぱり。


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市の環境局に大量の在庫が残っていました。

問題はあったとはいえ、道路というインフラを使って、街にコンポストの仕組みを根付かせようじゃないか、という発想や意気込みには熱いものを感じます。

インドネシアのコンポストへの取組は、これだけじゃありません。続きます。

posted by 瀬戸義章 at 22:39 | Comment(0) | 7カ国目「インドネシア」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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