2011年10月17日

復興地の「つくる」まとめ

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この光景から、人はなにをつくることができるだろうか。


たとえば、ギターをつくることができる。


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ZERO-ONE再生プロジェクト」は、東日本大震災によって発生したガレキの中の木材や素材をつかって、和太鼓やギター、ウクレレなどを製作・販売する。忘れないための楽器、立ちあがるための音楽をつくる。彼らはその素材を「ゴミ」でもなく「廃材」でもなく「思材」と呼ぶ。そこには想い出が、そして復興の思いが詰まっているのだから。


たとえば、オモチャをつくることができる。


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ワタノハスマイル」は、石巻市の渡波小学校におしよせたガレキをつかって、子どもたちがオブジェをつくったワークショップ。子どもたちの笑顔がこもった作品たちは、見てるこちらに元気を与えてくれる。彼らはその素材を「町のカケラ」と呼ぶ。


たとえば、ミサンガをつくることができる。


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トモノテ」のミサンガプロジェクトでは、漁網の修復糸をつかって、被災した漁業者のおかあさんたちがミサンガをつくり、イベントなどで販売している。糸は全国の漁村から支援してもらったものだ。売上は、水産物の加工場を作るための投資になる。


たとえば、ちゃぶだいをつくることができる。


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Creative for Humanity」は杉の間伐材を使って、避難所で子どもたちがお絵かきをするためのちゃぶだいを提供した。この不思議なデザインのちゃぶだいは、もともと、「Rebirth project」が不用木材をつかってデザインしていたもの。被災した職人がひとつひとつ、手作りしていった。


2011年10月16日

発泡スチロールの緩衝材の他用途

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あるいは、美術館の展示室として。


2011年10月15日

空き缶や1円玉で生き延びる−サバイバルノウハウ集『OLIVE』

"Think the Earthプロジェクト"の地球ニュースに空き缶や1円玉で生き延びる−サバイバルノウハウ集『OLIVE』というタイトルで記事を掲載してもらいました。身のまわりにあるモノを使って非常事態を乗り越える知恵について紹介しています。詳細は記事をご覧ください!


2011年10月14日

モノの定義との遊びかた−『extra.ordinary』

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コップ【オランダ kop】
 飲料を飲むのに用いる、円筒形の容器。[「洋杯」とも書く]

『大辞林』では、コップはこんな風に定義されています。
でも、コップって、何かを飲む以外にも使えますよね。

以前、編集学校の稽古で、コップのつかいみちを20個以上、
5分以内に考えなさいというお題がありました。

ぼくの回答を紹介します。

○水を入れて楽器にできる。
○絵の具を入れて色を作れる。
○ジャムを入れて保存できる。
○お酒を入れて飲める。
○「コップ」という文字は「ロボコップ」について語るときに使う。
○手品に使う。コインが消えたりする。
○水をギリギリまで浸して紙を一枚のせてはっと裏返してもこぼれない。化学実験に使える。
○賭け事に使う。水をギリギリまで浸して、コインを交互に入れていき、溢れたら負け。
○インテリアにできる。部屋の飾り物。
○ガラス製のだったら水を入れて太陽光を集めてものを燃やすレンズが作れる。
○壊した破片を使ってナイフが作れる。
○銀製のコップは色が変わると飲み物に毒が混じっているかわかる。
○揮発しやすい液体を入れておき、減り具合によって時間がわかる。
○手足につけて子どもの遊びに使える。お馬さんごっこ的な。
○竹製のものだったら、そのまま火にくべて料理に使える。
○紙コップだったら糸電話になる。
○絵を描いてキャンパスに使える
○本棚の本立てに使える。
○文鎮になる。
○壊した音で映画に使う効果音の収録に使える。
○凝固剤を入れてかき混ぜることで、水質浄化ができる。
○ジャグリングに使える。
○アルコールランプとして使える。
○製作販売することでビジネスに使える。
○商品棚の空いたスペースを埋めることができる。
○レンジで温泉卵を作るときの入れ物に使える。
○底を切って拡声器に使える。
○位相幾何学の概念を説明するのに使える。
○一輪挿しに使える
○ハーブが育てられる。

30個のつかいみちが考えつきました。
辞書の定義にあと30足してもよいかもしれません。

こんなふうに、身のまわりにあるモノの定義を
くすぐってみるビジュアルブックが"extra.ordinary"です。


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たとえば、
「主に亜細亜圏において利用される食事の際に使用される一対の細い棒」は、


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写真や手紙を飾るためにも、


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鼻をつまむためにも使えます。


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たとえば、
「細く長い伊太利亜の麺類」は、


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掃除にも、


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小物かけにも使えます。

「ぼくたちはモノの定義に騙されてる。貼られている単語から離れて、自由に発想することで、まったく新しい価値が生まれると思う」
NOSIGNERの太刀川英輔さんはそう言います。

そうそう。9月27日の『トレたま』では災害用に「ボートにもなるベンチ」が紹介されていました。

この本の中で紹介されているのが、すべて日常に役立つ優れたTIPSかというと、そんなことはありません。でも、くすっ、とするようなアイデアたちは物の見方に対するぼくたちの発想をやわらかくしてくれそうです。



2011年10月13日

【展示会情報】町のカケラに子どもたちの笑顔を宿す。「ワタノハスマイル」

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西麻布のアートギャラリー、ル・ベインにて、「ワタノハスマイル −子ども達がつくった復興のオブジェ展−」が開催されています。


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展示されているのは、宮城県石巻市の渡波(わたのは)小学校に避難した子ども達がつくった作品達。校庭に押し寄せた"町のカケラ"たちが素材です。ガレキと言ってしまうと、哀しい対象にしかなりませんが、ご覧の通り、とても温かい「復校のシンボル」に生まれ変わっています。子どもたちの笑顔が浮かんでくるような、ほっこりとした雰囲気を感じることができます。


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展示会は10月21日(金)まで実施されています。アクセスはコチラから。震災云々はちょっと疲れちゃって、という方ほど、足を運んでみてください。