2011年11月15日

大漁旗で法被をつくる

昨日に引き続き、大漁旗の活用について。

宮城県石巻市の湊中学校では、大漁旗でつくった法被を着てソーラン節を踊る「湊中ソーラン」の伝統があった。ところが、今回の津波によって法被が流失してしまう。存続が危ぶまれたが、5月28日に、北海道から大漁旗が贈り届けられた。事情を知った漁師が仲間内に声をかけ、2日間で130枚の大漁旗が集まったという。

東日本大震災:北海道の漁師 石巻の中学生に大漁旗贈る
(毎日jp)

そして大漁旗は法被に縫い上げられ、8月1日、「石巻川開き祭」のなかで湊中ソーランは披露された。下記リンクははボランティアの方のブログ記事。

湊中ソーラン - いけいけ!!ボランティアナース

一方、津波で流された大漁旗を見つけたNPOオンザーロードも、甦らせる試みをはじめる。泥にまみれた旗をキレイに洗い上げ、法被として縫っていく。よごれがひどく、まとめて使えない布地は、裂き折りで小物をつくっていく。

【ものづくり班】大漁旗を蘇らせたい。

大漁旗と「さをり」織りを使ってものづくり。

もともと、大漁旗はお祝い事のために作られただけあって、1枚5万円するような代物だとか。活かし甲斐がある。


2011年11月14日

気仙沼線の鉄橋に復興願う大漁旗

「町も、色も、なくなっちゃったので、これ聞きつけた人は見て欲しいですね」

震災で不通となったJR気仙沼線の鉄橋に、"大漁旗"が掲げられた。

大漁旗は、漁船が帰港するとき、大漁であったことを知らせるために掲げる旗のこと。

赤・青・緑。原色の旗180枚が、鉄橋の下になびく。

ニュース動画は↓こちら
http://www.yomiuri.co.jp/stream/sp/earthquake/earthquake_178.htm
(YOMIURI ONLINE 9月20日)






2011年11月13日

仮設のトリセツ

国土交通省の資料によれば、東日本大震災により、家を失った人びとのために必要な仮設住宅の必要戸数は52,504戸。うち完成戸数か51,886戸である。

仮設住宅の入居期限は2年と定められている。短い期間ではない、ここでの生活を少しでも「普通」にし、つぎの暮らしに向けてステップアップをすることが重要だ。

そのために、新潟大学工学部の岩佐研究室がつくりあげたのは、「仮設のトリセツ」だ。2004年から2007年にかけて、新潟県は水害や地震などの災害に立て続けに襲われ、5,000戸の仮設住宅が建設された。そのときの生活の知恵が集められている。


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たとえばこれは、廃材をつかって玄関前に「風除け室」を作った例。もとの家の玄関を使えば、おなじドアをくぐって帰宅することができる。


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「仮設の達人」ともなると、白いラティスをつかってゴージャスな物置を作ってしまうのだ。

かんたんにはじめられることとしては、ロープでもの干し場をつくる方法、プチプチで結露を減らす方法、段ボールを壁に貼り付けて防音する方法などが載っている。

すごしやすい空間にし、彩りを加え、ご近所づきあいをしていく。

くらしをつくっていく。

それは、「仮設」に限らないかもしれない。


2011年11月12日

被災した防風林のリサイクル

●オフィス机/合板
「事務用品大手のイトーキ(大阪市)は、東日本大震災で津波被害を受けた仙台市沿岸部の防風林を使った机などの商品化に乗りだす。合板加工は製造大手セイホク(東京)の関連会社西北プライウッド(宮城県石巻市)が担う。イトーキは年内にも発売し、オフィス向けとして首都圏の企業などに売り込む方針だ。
仙台市沿岸部では防風、防潮林の役目を果たしてきたアカマツやクロマツなどが大量に被害を受けた。計画では西北は比較的品質の良い1000〜1500トンを合板に加工し、一部をイトーキが材料として仕入れる。
イトーキは既に商品化に向けた準備を進めており、今月12〜14日に東京で開かれる産直市などの復興支援イベントで試作品を展示する予定だ。
イトーキの柏ア寛東日本復興支援室長は『ビジネスとして成り立てば被災地支援になる』としている。
西北プライウッドの相沢秀郎常務は『環境保護のためにも合板にして活用したい。仙台市以外の宮城県内の自治体からも、被災した防風林を合板に活用できないかとの問い合わせが来ている』と話している。(2011年11月05日 河北新報)」


●バイオマスチップ
「宮城県と合板大手のセイホク(東京)は、東日本大震災で発生した大量の木材がれきを、合板の原料やボイラーの燃料として再利用する取り組みを石巻市内でスタートさせた。
震災がれきを処理する県と同社が契約を締結。同社は津波を受けて操業停止に追い込まれたが、6月23日から本格的に工場の稼働を再開している。
処理される木材がれきは、石巻市南境の石巻商高に隣接する仮置き場にあり、セイホクグループの西北プライウッド(同市西浜町)のチップ製造工場にトラックで搬入される。工場では作業員の手作業で大まかに異物を取り除かれたがれきが破砕機に入れられ、細かいチップに加工される。
チップは接着剤で成型され、家具や建築資材の原料となる。紙やビニールなどの異物が混じっている場合は、同社のバイオマスボイラーの燃料に利用される。がれきに含まれる塩分は2、3カ月、野ざらしにすることで抜けるという。
県によると、現在は1日約100トンを処理。1日300トン程度へ徐々にペースを引き上げ、3カ月で約3万5000トンの木材がれきを再利用する計画。焼却した場合の数分の一に処理費用を抑えられるとしている。
環境省の推計では石巻市のがれき量は約600万トンと、被災地の中で突出している。西北プライウッドの相沢秀郎常務は『地元のがれきを最優先に処理し、復興に役立ちたい』と話している。(2011年07月16日 河北新報)」


2011年10月29日

サバイバルクッキング

――食材の入手も調理も気楽にできる「いつものごはん」に戻ったのはほぼ1年後。
――建物が再建され、人口が戻ることではなく、毎日のごはんがなにげなく作れることが本当の復興だということに、震災から何年もたってから気づかされたものでした。

『サバイバルクッキング』坂本廣子
http://eiyo.sub.jp/eri200809_1-4.pdf
http://eiyo.sub.jp/eri200809_5-7.pdf