2011年03月15日

野豚、が道で入浴中? 東ティモール雑感。

東ティモール。名前だけは聞いたことがあっても、どこにあるのかわからない。あまり馴染みのない国だとおもいます。(というか、実際に行ってみるまで、自分がそうでした……)

そこで今回は、国の様子がわかる写真をいくつかご紹介します。

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まずは場所の確認。地図上の赤いところが東ティモールです。ティモール島の東部に位置し、島の西部はインドネシアです。


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首都ディリのメインストリート。水たまりで野豚が体を洗っていました。最初はびっくりしても、次第にそれが日常になっていきます。


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ディリ港の近くの公園。のどかな風景ですが、仕事が無いがゆえに、たむろしている様子でもあります。


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東ティモールの多くは「自給自足」の農民で、仕事といえばほとんどが政府、あるいは国連の職員です。そこで、売り子をして稼いでいけるようにと、NGOが自転車屋台を提供していました。


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登校中の子どもが買うのは、朝ご飯。


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こちらは、クリスティ・スウォード・グスマン首相夫人。教育諮問委員会の代表でもあり、チャイルドケアに取り組む「東ティモールの母」です。


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ディリから離れて、ここはオエクシ県の市場。


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ちなみに、オエクシ県は「飛び地」です。地図上に離れて赤い点があるのがわかるでしょうか。植民地時代、オランダとポルトガルが、ティモール島で領土争いをしました。ポルトガルの領土だったのが東ティモールで、オエクシもその一部です。


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オエクシの電気普及率は30%。このように、電柱があっても電線がない場所があります。独立の際に、インドネシア軍がインフラを破壊しながら撤退した影響です。


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オエクシ県オエノアの村長。浮かない顔をしているのは、村のある夫婦の「浮気問題」の解決に苦慮しているからです。


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食堂の様子。食べ物だけでなく、石けんや化粧品、電池などの日用雑貨も販売しています。


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最後に、同行させていただいた、NPOコペルニクならびにNHKのみなさまです。



posted by 瀬戸義章 at 20:20 | Comment(0) | 6カ国目「東ティモール」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

東ティモールで特別授業をしました!

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突然、東ティモールの学校でスピーチすることになりました。場所は、首都ディリのパブリックスクールです。


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この2階建ての学校には、NHKの取材に同行して訪れました。教室の中を覗きながら、廊下を歩いていたところ、授業をしていた先生が、慌てるようにしてやってて、
「どこから来たんだい?」
「日本から来ました(怪しまれたかな……?)」
「何か話してってよ!さあさあ」
「!?」
と、いうわけで、気がつけば、教卓の前に立っていました。

「ぼくは、日本から、東ティモールのリサイクルについて調べに来ました」

ポケットから飲みかけのペットボトルを取り出して、話します。

「みんなが飲んでいる水、このペットボトルは、飲み終わった後、ぽいって捨ててると思います。でも、日本では、このペットボトルから、この服を作っています。本当です。作り替えることができるんです。道に捨ててしまっては、ゴミですが、実はこれは宝物なんです。大事に扱ってください」

片言の英語を、先生が現地のテトゥン語に訳して伝えてくれました。東ティモールのペットボトルをリサイクルするにはまだ難しいですが、道路への散乱が、少し減るかも知れません。


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こちらは、校長のVidal Brites Dos Santos氏。NHKのインタビューに答えています。

2004年、政府から、授業の際にはポルトガル語を使うようにという指示がありました。しかし、子どもたちにはポルトガル語が通じません。ポルトガル語の教材を使って、テトゥン語で授業するなど、併用を続けています。実際には、ポルトガル語を使う機会は少ないようです。また、地域によってはテトゥン語ではなく、まったく別の言葉が使われるなど、言語の混乱が続いています。


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通学風景。子どもの人数に比べて教室や先生が少ないため、交互に登校します。早い時間帯は低学年、お昼から中学年、高学年といったシフト制です。


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休み時間、NHKのカメラに、みんな興味津々でした!

気になるのは、みんな痩せており、太っちょの子が一人もいないこと。いまのこの国の"貧しさ"が垣間見えます。でも、外の意見をぐいぐいと集めて、授業に活用するような先生がいれば、きっと大丈夫でしょう。


posted by 瀬戸義章 at 01:43 | Comment(0) | 6カ国目「東ティモール」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月14日

大統領もゴミ拾い。東ティモールのゴミ処理場見学

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始まりはココナッツでした。ホテルの前の通りで、ココナッツをリアカーで売っています。1個50セント。一つ買って、丸太に腰掛けて飲んでいると、隣から声をかけられました「日本人か?」


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彼の名はLuis Belo。なんと、環境省の職員です。3年前、JICAのプロジェクトで、大阪に研修のため滞在していたそうです。東ティモールのリサイクルについて調べている、と相談したところ、翌日の案内を快く引き受けてくれました。


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バイクでおよそ30分かけて、ディリの隣の地区、ティバールのゴミ処理場へと向かいます。何台かのトラックとすれ違いました。ゴミと一緒に、作業員をもコンテナに乗せています…… ゴミ運搬のトラックは、30〜40台ほど稼働しているとのことでした。


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全体の様子はこちら。山の麓をゴミ捨て場としているようです。


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ゴミ処理場の敷地内に、リサイクル施設がありました。2009年より、ディリの発電所・工場・オフィスなどから使用済みのオイルを回収し、再び燃料として使っています。

このゴミ処理場のまわりには、有価物を拾って生計を立てているスカベンジャーの集落がありました。鉄くずやアルミ缶を集めて、インドネシアのスラバヤまで輸出しているそうです。

また、ディリでは啓蒙のため、政府職員は毎週金曜日、道のゴミ拾いを行うそうです。全職員が。かつては大統領もゴミ拾いに参加していたとか。


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後日、レストランで偶然、Ramos-Horta大統領にお会いしました。握手に応じてくれる気さくな方でした。そうしたことができるからこそ、ノーベル平和賞も受賞した独立の英雄となりえたのかもしれません。


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写真はレストランから見た夕暮れ。


posted by 瀬戸義章 at 00:18 | Comment(0) | 6カ国目「東ティモール」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月12日

コーヒー殻を燃料に! 東ティモールNGO「HABURAS」の取り組み。

水や燃料、日用品の値段が、貧しい地方ほど高いことがあります。その場所まで運ぶコストがかさむからで、"ハンディキャップ"を課されている、といいます。東ティモールのオエクシ県で宿泊したホテルの女将さん(?)も、インドネシアのほうがガスが安かった、とぼやいていました。

そこで進められているのが、「ゴミ」を燃料にする取り組み。過去の記事『ゴミでお料理? 東ティモールの「バイオマス・ストーブ」。』で取り上げたのは、ココナッツやトウモロコシの芯を燃料にできるクックストーブでした。


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今回、ご紹介するのは、東ティモールのNGO「HABURAS」の取り組みです。このNGOは手作りのコンロと、廃材から作った燃料を販売するとともに、製法を各地に広めています。


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燃料は、紙くずや木のチップ、コーヒーの殻からできています。


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ちなみに、東ティモールのコーヒーはかなり評判がよく、コーヒーが苦手な自分でも、普通に飲めて、くどくないフレッシュな味と感じました。


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そんなコーヒーの殻や、オフィスから回収した不要書類などを混ぜあわせ、圧縮し、乾燥させることで固形燃料を作ります。(この日は雨だったので、燃料を作っているところは見られませんでした)ストーブは7ドル、燃料も、薪より安い値段で販売しています。HABURASが販売したストーブは、およそ400世帯に利用されているそうです。燃料の普及だけでなく、5つの地域のコミュニティにこの製法を教えることで、「仕事」も創造しています。

また、現在、東ティモールでは、薪にするために多くの木が伐採されており、森林を守るため、薪に代わる燃料を広めたい、という狙いもあるそうです。

課題は、火力。薪と比べると、火が弱いと聞きました。

構造の工夫により燃焼効率を高め、火力を強化したのが、NPOコペルニクのバイオマスストーブでした。情報をシェアしたので、改善に努めてほしいです。


posted by 瀬戸義章 at 12:23 | Comment(0) | 6カ国目「東ティモール」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月10日

トウモロコシを速く剥く? コペルニクが提供するテクノロジーたち

今回は、米国NPOコペルニクが届けているテクノロジーを、まとめて動画でご紹介します。



まずこちらは、トウモロコシ剥き器 VS 速さ自慢のベテランの競争! 東ティモールではトウモロコシが主食です。乾燥させたトウモロコシの実をむいて、茹でて食べるわけですが、実を剥くのは、なかなか労働。動画では、がしがし剥いでいますが、やってみたら結構手が痛いです。金属板をつかった簡素な剥き器を作れば、ベテラン以上のスピードで、剥いていくことができます。



水を効率的に運べても、悩ましいのが水質。往々にして汚染されていて、そのまま飲むわけにはいけません。そこで登場するテクノロジー。この「魔法の粉」を水に少しだけ入れかき混ぜて、



3分待つと、ほら、この通り!汚れが沈殿して、キレイな層とくっきり分かれています。


続いては、太陽熱で水を殺菌する「ソルバッテン」。

水をタンクに入れて、太陽光に当てることおよそ7時間。10〜30リットルの水を浄化することができます。旧来の方法は、薪を燃やして、煮沸消毒していましたが、その燃料代がかからずにすみます。

こうした、かんたんに自作できる。あるいは太陽熱を利用するなど、いわば工夫された"ローテク"が、最貧国のように、モノもエネルギーも限られている場所では、活躍します。

そして、もし資源が潤沢に使えなくなった社会が来るならば、脚光を浴びるのは、こうして、より省コストで働くようにリメイクされたテクノロジーなのでしょう。


posted by 瀬戸義章 at 22:32 | Comment(1) | 6カ国目「東ティモール」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする