2011年01月27日

ベトナムの環境団体「エコクラブ」&SEEDs Asiaにインタビュー!

南北に長いベトナムの、ちょうど中部に位置するのが、ベトナム第三の街、ダナン市です。人口は約100万人、海に近い港町です。


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この街に住む、ダナン工科大学の学生7名に話を聞きました。彼らは大学公認サークル「エコクラブ」のメンバーです。エコクラブは、子どもたちへの環境セミナー、地域の清掃活動や、インターネットフォーラムによる意見交換などを行っています。

こうした学生によるエコ活動は、ダナンだけでなく、ホーチミン市やハノイなどでも行われていて、"Green Generation Young"と呼ばれています。

エコクラブでは、いくつかのキャンペーンを展開しています。たとえば、冷房の省エネを呼びかける"26 Degree キャンペーン"や、野菜食を勧める"Go Vegetarian キャンペーン"、そして、"プラスティック削減キャンペーン"などです。

プラスティック削減キャンペーンについて尋ねると、まだ計画中、との事でしたが、主に市場からのビニル袋削減を目的とするようです。たとえば、野菜や魚を買うときに、たいていビニル袋が使われるようになってしまいました、そこで、かつてのように新聞紙の利用と、エコバッグの利用を呼びかけていく、とのことです。


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右が部長のHaMy。将来の夢はNGO職員です。

ところで、エコクラブは、ダナン市で活躍するNGO、SEEDs Asiaに紹介していただきました。アジアの災害リスク軽減や、環境問題に取り組むNGOです。

2006年の台風でダナン市は、死者4名、家屋倒壊12,000棟、家屋破損113,000棟など、大きな被害を受けました。いまだに子どもたちがエッセイのテーマに取り上げる、記憶に生々しい災害です。この台風を契機に、SEEDs Asiaでは防災のためのprojectを、2010年度に実施しました。

まずは、4つの学校の先生、約90名に対してワークショップが行われました。学校の「危険箇所マップ」作成や、心臓マッサージの訓練、土嚢の積み方など、その範囲は多岐にわたります。

「さすがに先生は教えるプロですね。予想外に早く理解してくれました(SEEDs Asia土生さん)」

そして、先生から、各地域への啓蒙を行います。


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ハンドブックには、インドネシアなど各国で蓄積されたノウハウが詰まっています。ただいま、ベトナム向けにアレンジ中!

「今年は、珍しく大きな台風が来ませんでした。それ自体は幸いなことですが、防災教育の成果としては、実際に災害が起きないと判断しにくい面もあって、本当に先生や生徒さんに理解してもらっているかは、わかりづらい状況です。ただ、確実に彼らの意識に残ったと思います(SEEDs Asia土生さん)」


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土生さん、大西さん、ありがとうございました!

→SEEDs Asiaをもっと知りたい&支援したい方はコチラ

posted by 瀬戸義章 at 22:07 | Comment(0) | 3カ国目「ベトナム」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月23日

子どもたちが環境コンサルタント!? NPO法人BAJの取り組み

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ここは、フエ市の町外れにある、昔ながらの市場です。(訪れたのが夕方だったので、残念ながら誰もいませんが。)この場所の環境改善・衛生改善が、いま、子どもたちの手によって行われています。


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例えば、雨が降ると、泥だらけになっていた道に、砂利を敷き詰めました。


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魚売り場には、排水溝と簡易浄化槽を設置しました。それまでは、うろこや内臓の混じった排水が、川へ流れ込んでいたからです。


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ビニル袋は、他のゴミと混ざらないように集めています。


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また、果物の皮や野菜くず、動物の骨、魚のはらわたなど、ここで排出される生ゴミも、子どもたちが自ら回収しているそうです(上の写真はその説明資料です)。集めた生ゴミはコンポスト化して、近隣の農家で有機農法に使われています。


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いずれもこの地域に住む子どもたちによって、主体的に行われています。彼らの手助けをしているのが、NPO法人 ブリッジ エーシア ジャパン(BAJ)です。ホーチミン市のスタッフである、片山恵美子さんにお話を伺いました。

――BAJの活動について教えてください。

「ベトナムでは、2002年に実施した、『ベトナムの都市ゴミリサイクル調査』をきっかけとして、貧困層への支援をしています。」

「捨てられるゴミも、きちんと分別収集すればお金になります。ビニル袋が1,2数あっても、誰も引き取ってくれません。しかし、大量に揃えていれば、有価物としてお金になるのです。」

「そこで、きちんと集めるために、最初は母親たち、ついで子どもたちによる戸別回収を行うようにしました。毎週火曜日と金曜日に、ビニル袋を集めてまわるのです。そうして数をそろえれば、業者が買い取りに来てくれます。たまったお金は、街灯を設置するなど、地域の環境改善に使っています。」

――ポイントはどこですか?

「子どもたちと、関係を築くことが重要です。」

「たとえば、学費を渡して、はい、終わり。では、上手くいきません。彼らは幼いころから、靴磨きや物売りなどをしています。自分の考えで動くことに慣れているので、学校生活が窮屈に思えるのです。親も、学校教育を受けさせなきゃ、とは考えていないので、学校を辞めてしまうケースがあるからです。」

「そんな子たちをフォローする補習も、どこかの施設を使うのではなく、家の一部を間借りして行います。子どもたちが勉強しているさまを、親に見せることで、理解してもらうことが狙いです。」

「また、彼らのペースに合わせる事も必要です。」

「例えば、浄化槽の設置も、勝手に工事を進めません。子どもたちが、地域の人々に説明をして、理解をしてもらって、日時の調整をして、それから始めて着工するのです。」

――随所に工夫を感じます。

「ずっと試行錯誤を続けているからです。」

「『マイクロクレジット』といって、学費や、新しい商売を始めるための資金(3,000円〜1万円)を貸し出していますが、貧困層の人々は貯蓄に慣れていません。月単位で返済を求めても、上手くいかないのです。そこで、毎日、スタッフが20円ずつ回収するなど、集金も一手間かけています。」

「また、『エコクッキング大会』というイベントも行っています。これは、料理をするときに、どれほどのゴミが出るか、実感してもらうためのイベントです。グループごとに分かれて、買い物をするところから始め、最後にいったい何枚のビニル袋を使ったのか、カウントをします。多いグループで15枚使ったところもありました。3食で45枚。100世帯なら4,500枚。といった数字をイメージしてもらうことで、ビニル袋収集の意義も、また理解してもらえるようになります。」

「子どもたちは、実践を伴っているからか、高い環境意識を持っています。『休日に洗濯のアルバイトをしているが、その排水で川を汚してしまうことが心苦しい』といった事を訴える女の子もいます。実際に、水質調査から、排水地図の作成、浄化槽の設置提案、実施まで行ったこともあります。」

――それは、まるで環境コンサルタントですね。いまの活動規模を教えていただけますか?

「当初はホーチミン市のアンカイ地区(約250世帯)で活動をしていました。やがて、他の都市の行政官から依頼が来るようになり、今では、ホーチミン市・フエ市・クイニョン市で、計1,100世帯ほどを対象に、支援を行っています。」

――今後の課題はなんでしょうか?

「地域の伝統的な農作物・料理を守ることです。冒頭の市場に並ぶ作物も、近くの農村で採れたものでなく、卸問屋から買ったものが並ぶようになってしまいます。そうではなく、地産地消することで、文化を守っていきたいと考えています」


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BAJの皆様&子どもたち ありがとうございました!

→BAJをもっと知りたい&支援したい方はコチラ


posted by 瀬戸義章 at 22:37 | Comment(0) | 3カ国目「ベトナム」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

廃品回収は自転車で @フエ市

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「不用品買い取りま〜す♪」というテープを流しながら、自転車で走る青年。
(動画は重くてアップできませんでした…)


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ベトナムの古都、フエ市の旧市街地で見かけました。フエは1687年〜1945年まで続いたベトナム最後の王朝、阮朝の都です。日本でいえば、奈良や京都のような街にあたります。

さながら、日本で見かける、軽トラックの廃品回収のようです。オーナーは日本人かも、と思って尋ねましたが、ベトナム人との事。場所が変わっても、似たような仕組みが考え出されるものですね。


posted by 瀬戸義章 at 22:30 | Comment(0) | 3カ国目「ベトナム」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月22日

歌声はゴミを減らせるか!? ハノイ市の3Rプロジェクト


この映像は、ハノイ市で放映されている、リサイクル促進のためのCMです。



対して、こちらが日本のCM。……あれ、似たようなテンションですね。


ハノイ市の人口は、2008年に620万人だったのが、翌年には645万人と、急増しています。ハノイ市の最終処分場である、Nam Sonゴミ処理場には、毎日3,800トンのゴミが運ばれています。このまま推移すれば、2016年までに、処分場が一杯になってしまう計算です。なお、焼却処分されるのは、医療系ゴミのみで、あとは全て埋め立てられているそうです。(※缶・瓶・ペットボトルなどの有価物は、行政とは別に、スカベンジャーの手によって回収されています。)

そこでハノイ市では、"3R"――Reduce(排出削減)、Reuse(再使用)、Recycle(再資源化)――を進めようと、さまざまな取り組みをしています。

2006年〜2009年にかけては、JICAの支援も入り、「3R-HNプロジェクト」が行われました。冒頭のCMは、この期間に作られたものです。3Rソングを流す街宣車も、毎週土曜日に走りまわっています。

また、「MOTTAINAI Fair」というイベントも行われています。学生団体と連携して、ステージパフォーマンスや、フリーマーケット、物々交換会などが行われているそうです。2008年から2年間で、6回開催されました。来場者数は最も多い時で、1万人を超えています。



こちらがイベントの映像です。


こうした宣伝活動とともに、ゴミの分別収集が、ハノイ市の4つの地域(Thanh Cong地区, Phan Chau Trinh地区, Lang Ha地区, Nguyen Du地区)でトライアルされています。合計で約18,000世帯が住む広さです。


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オレンジのゴミ箱は無機物、緑のゴミ箱は有機物です。ベトナムは日本と比べると、生ゴミの排出量が多いため、このような分け方となっています。つまり、堆肥にできる有機物ゴミを集めて、農業に活かせれば、ゴミの大部分がリサイクルできる、という訳です。

有機ゴミは、スペインの支援によって建設された、Cau Demコンポストプラントに運ばれています。しかし、残念ながら、ビニル袋など異物の混入がまだ多く、質の高い肥料を作るには至っていないとの事です。

タイのピサヌルーク市では、「なぜ必要なのか?」「どう分ければいいのか?」という説明会を数百回となく行い、また住民にリサイクルの利益を還元することで、分別収集に成功しつつあります。

もちろん、ハノイ市でも、説明会は幾度と無く開催されているそうですが、今までの習慣に無いことをやってもらうのは、大規模なプロモーションだけでなく、地道な活動を、徹底的に、継続していく事が、必要だと感じました。


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ハノイ市環境公社の皆さんです。中央が国際部のLAN部長、その左隣が部下のTHUYさん。左端は海外青年協力隊の小宮山さん、右端は長沼さんです。ありがとうございました。頑張ってください!


posted by 瀬戸義章 at 12:48 | Comment(0) | 3カ国目「ベトナム」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

バイクを掻き分けゴミ集め。ハノイ市の廃棄物収集システム

「からんころんからんころぉぉん」ハノイ市のゴミ回収は、鐘の音とともに始まります。収集用の台車を押しながら歩く女性が、新しい路地に差し掛かったとき、その鐘を鳴らします。すると、近くの店舗から、家から、あるいは通りすがった人から、ゴミが運ばれてきます。


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こちらの連続写真が、カフェの店内から見た、ゴミ収集の様子です。すぐに行ってしまうからなのか、結構あわててゴミを出しています。


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ただし、全員がゴミをその時に運んでくるわけではなく、収集ルートに、ゴミ袋が置かれているケースもあります。

トラックが入れないような路地からは、こうして、人力でゴミが集められます。回収は毎日行われ、ハノイ市で1日6,000tのゴミが排出されるとか。女性回収員は、URENCO(環境公社)の職員で、全体でおよそ2,000人近くいるそうです。


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台車はいくつかの地点でまとめられ、


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トラックに投入されます。収集車が長時間駐車して、道路が混雑することを避けるために、アームによってすばやく自動投入されるメカニズムになっています。

ハノイ市では、交通渋滞緩和のため、日中、トラックが市内に入ることが禁じられています。ですから、回収スタッフたちは夕方の4時ごろからゴミを集めはじめ、トラックが夜6時ごろから、ゴミを収集する、という仕組みになっているわけです。


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なるほど、この混雑の中でゴミ収集をするために、工夫を重ねていますね。


posted by 瀬戸義章 at 01:48 | Comment(1) | 3カ国目「ベトナム」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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