たくさんのお店でにぎわうSukhumvit通りを歩いていると、ふと"ORGANIC SHOP"の看板が目に入りました。高架鉄道のPhrom Phong駅のすぐそばです。
高級感ある店内では、有機野菜や石鹸・天然洗剤が販売されています。商品説明はすべて日本語。日本人向けの店舗のようです。
(ちなみに、バンコクに住む日本人は約3万人と言われており、電車の中で日本語の小説を読むサラリーマンや、電話をしていて「あとで折り返すから(日本語)」といった声を、ちょくちょく見聞きします。)
パンフレットによると、国立公園のあるカオヤイ山脈の麓に農園を持ち、1999年から有機農法に取り組んで作り上げた商品、との事です。カオヤイ国立公園はバンコクの北東部、車で2時間ほど走ったところにあります。
お店のオーナーである大賀さんに、無理を言ってインタビューさせていただきました。
「もともと駐在員として、こちらにいたときから、水質汚染に非常に関心がありました。水質汚染の原因には『生活排水』『工業排水』『農業排水』があります。まずはできるところから、と、農薬を使わず、水を汚さない農園づくりに兆戦しました。」
「かつては鶏糞や牛糞を、堆肥にするために買っていたのですが、うまくいきません。そこで、農園に牛や鶏を飼い、食べ物もすべて管理し、その糞と、農園で取れた野菜くず、オーガニック米のモミや糠などを、動物由来3:植物由来7の割合で混合し、堆肥化させ、肥料として使うようにしました。そんな様々な試行錯誤の末、有用微生物の多く、腐敗菌の少ない土壌ができるようになりました。」
「今では、王様のプロジェクトに協力して、オーガニック農法をチェンマイ県・チェンライ県・スリン県・コラート県・チャセンサオ県などに指導もしています。生分解性の石鹸の販売が始まり、4,000人規模の工場の排水処理にも携わることができ、最初に思い描いた、家庭・農業・工業のすべてが、ようやくできるようになりました。」
「生ゴミの堆肥化ですか。微生物資材は既にあるので、きちんと、生ゴミを集めれば堆肥にするのは簡単です。特別な機械もいりません。ただ、腐敗菌が発生する前の"新しい生ゴミ"を集める必要がありますし、生ゴミ以外の異物が混入してもいけません。ご存知のように、分別がぜんぜんできていない国ですから、堆肥化よりも、きちんと集められる仕組みを作るのが、非常に難しいと思います。」
「大人たちに習慣づけしなおすのは大変でしょう。だから、分別のことを小学校で指導するように政策提言をしているところです。うまくいけば、リサイクルの授業がはじまるでしょう。」
ほかに、生ゴミの処理においては、日本の加賀市の取り組みが非常に進んでいることを教えていただきました。日本に帰国したら、取材に行こうと思います。大賀さん、ありがとうございました!