昨夜、虎ノ門の森バールで「和綿倶楽部」の製品発表会がありました。
こちらが、"和綿"でつくられた、和てぬぐい・ガーゼマフラー・ハンドタオル。思ったより厚みがあり、しっかりした手応えがあります。じつは、和綿の製品化は戦後初めてかもしれない。それぐらい、珍しいことなんだそう。
和綿は、繊維が短く、太い品種。この和綿から紡いだ糸や布には独特の弾力と厚みがあり、湿潤な日本の気候に適って、夏は湿気を吸い、冬は空気を含んで温かい性質があります。しかし、加工の難しさから、明治には中国産の綿花に取って代わられました。いまでは、ほとんど100%を輸入に頼っています。
和綿を残したい。そんな思いで、文字通りの「タネ」を配って歩いた人がいます。花嫁わた株式会社の三代目社長、吉村武夫氏。1999年に、氏から一抱えの「タネ」を受け取ったのが、和綿倶楽部の指導者、村井和美さんでした。
「タネは生きているんだから、捨てるわけにはいかないでしょ」
村井さんの活動は"畑をさがす"事から始まりました。いまは茨城県つくば市に2反の畑を借り、東京から月に一度、二〇人以上の有志が集まって農作業を手伝うまでに拡がっています。収穫量は年に200kg前後。すべて手摘みのオーガニックコットンです。
そして今年、その和綿を使って、500セットのてぬぐいが誕生しました。端が織られておらず、切りっぱなし。ほつれた所は、はさみで切るのが江戸時代からの使い方なんだそう。洗うと色落ちするので、その風合いを楽しむべし。
「これこそが、和てぬぐいなんです」と、製造に携わった池内タオルの池内計司社長が、嬉しそうに説明していました。
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