仮設住宅の入居期限は2年と定められている。短い期間ではない、ここでの生活を少しでも「普通」にし、つぎの暮らしに向けてステップアップをすることが重要だ。
そのために、新潟大学工学部の岩佐研究室がつくりあげたのは、「仮設のトリセツ」だ。2004年から2007年にかけて、新潟県は水害や地震などの災害に立て続けに襲われ、5,000戸の仮設住宅が建設された。そのときの生活の知恵が集められている。
たとえばこれは、廃材をつかって玄関前に「風除け室」を作った例。もとの家の玄関を使えば、おなじドアをくぐって帰宅することができる。
「仮設の達人」ともなると、白いラティスをつかってゴージャスな物置を作ってしまうのだ。
かんたんにはじめられることとしては、ロープでもの干し場をつくる方法、プチプチで結露を減らす方法、段ボールを壁に貼り付けて防音する方法などが載っている。
すごしやすい空間にし、彩りを加え、ご近所づきあいをしていく。
くらしをつくっていく。
それは、「仮設」に限らないかもしれない。
【東日本大震災「復興支援と災害廃棄物」の最新記事】