原発事故に限らず、震災はまだ終わっていません。
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8月11日、三井アウトレットパーク仙台港で、”仙台港エリア復興イベント with LIGHT UP NIPPON”が行われた。かき氷やビール片手に、ショッピングや音楽ライブを楽しめるイベントだ。
ステージでは、かりゆし58、八代亜紀、トータス松本など、さまざまなアーティストによるライブが行われた。『アンマー』をしんみりと聴き、『ガッツだぜ!!』を会場中で熱唱した。サプライズゲストには、なでしこJAPANの丸山桂里奈選手が金メダルを携えて登場した。
舞台ファームが実行委員を務める、マルシェ・ジャポン センダイもこのイベントに出展した。津波被害をうけた場所から”発掘”された高級サバ缶「希望の缶詰」を売る「木の屋石巻水産」をはじめ、約30のテントが軒を連ねた。
日が暮れた空には、仙台育英多賀城校舎の東側から打ち上げられた花火が登場し、会場中が湧いた。
被災地の10地域(岩手県の宮古市・山田町・大槌町・釡石市・大船渡市三陸町、宮城県の気仙沼市・多賀城市、福島県の南相馬市・会津美里町・いわき市)で同時に花火大会が行われた。人びとは午後7時に、いっせいに空を見上げた。そして、見とれた。
残念なことに、花火を灯すことができなかった地域もある。岩手県の陸前高田市や宮城県の石巻市では、道路状態の悪さや空き地の確保の困難などが原因で、開催が中止となった。
石巻市は、東北地方の中で、もっとも避難者数の多い街だ。8月17日現在で、2,395人が避難所生活を強いられている。舞台ファームは、週に3回、この石巻市にパックサラダを届けている。1万食分の新鮮なサラダ。スイカにメロン。
それはつまり、新鮮な野菜や果物を満足に手に入れることができない人がいて、花火を打ち上げることもできない場所がある、ということだ。5ヵ月経って、まだ。
東北だけで、立ち上がり続けることは難しい。人口を比較してみよう。宮城県・福島県・青森県・岩手県・山形県・秋田県の総人口は9,335,088人(2010年国勢調査 速報値より)だ。一方、神奈川県の人口は、9,049,500人。日本の5分の1の広さがあっても、もとからの人手はこの程度なのだ。
そして、ボランティアに訪れる人の数は、阪神大震災の三分の一から、五分の一とされている。
お盆も明けて、さらに減少するだろう。
新しいつながりは、新たなチカラを生む原動力となる。前述の花火イベント”LIGHT UP NIPPON”の発起人は、横浜市出身で、東京で働く高田佳岳氏だ。
「3月29日に、日本橋の方から東京湾大華火祭が中止になるということを聞いたんです。
その瞬間、そこで打ち上げる予定だった花火を東北に持っていけば、被災地で花火大会ができるんではないかと思いついたんです」(『Walkerplus』)
舞台ファームがのカットサラダも、東京のボランティアに協力して戴いて、石巻の避難所に贈ることができている。NPO法人”green bird”が主催するボランティアツアーだ。有り難いことに、すでに9月分まで予約が満員となっている。
我々はこれまでに、佐賀県の若手議員、ボストン大学の修士、中古建築資材販売や塗料メーカーの経営者、国際NPOの代表まで、ふつうの農業生産法人なら出会わないであろう方々と縁を持ってきた。そうして得たチカラを、今後の復興の原動力としていくつもりだ。
greenbirdのボランティアツアーは、半年間継続して行われるそうだ。ぜひ、あなたも参加して欲しい。あなたは、東北を、日本を、”より輝かせる”ことができるのだから。
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