2011年06月23日

『災害廃棄物』のいま

廃棄物資源循環学会が6月22日に開催した『東日本大震災の災害廃棄物に関する現地セミナー』に参加しました。その概要をまとめます。

1.災害廃棄物に関する環境省の対応
・すばやく廃棄物処理をするため、各法令の規制緩和を行った。
・家屋、自動車、船舶、その他動産の撤去には財産権との兼ね合いがあるが、損傷の激しいもの、流失したものについては"無価物"して扱うと判断した。
・見た目でまだ動きそうな自動車は、いったん仮置き場に集めて所有者の確認をとる。基本は遺失物法での扱いになる。
・家電リサイクル法対象品目についても、他の廃棄物と一括処理してもやむを得ないとした。
・災害廃棄物処理のマスタープランを示した。2011年の8月末までに、「生活環境に支障が生じる廃棄物(避難施設や居住地近隣の廃棄物)」を仮置き場に移す。
・2013年度までに木くず、コンクリートくずを除く災害廃棄物の中間処理を終わらせる。
・単なる「ガレキ処理」ではなく、資源を徹底的に利用することで、「最先端の循環ビジネス拠点」として東北を再生していきたい。

2.災害廃棄物対策・復興タスクチームの活動
・廃棄物資源循環学会がチームを立ち上げ、被災地への情報支援、調査を行う。
・『災害廃棄物分別・処理マニュアル』を作成した。

3.災害廃棄物処理の進捗状況
・岩手県、宮城県、福島県の3県で発生した災害廃棄物の総量は2,500万トン。うち4分の1は仮置き場に移した。
・岩手県:442万トン中182万トンを、213haの仮置き場に移した。
・宮城県:1,600万トン中390万トンを、529haの仮置き場に移した。
・福島県:230万トン中50万トンを、100haの仮置き場に移した。

4.岩手県の現状
・岩手は平地が少ないため、仮置き場の選定に苦労している。空き地は仮設住宅→自動車集積所→災害廃棄物仮置き場の優先度で選ばれる。
・現在の廃棄物の内訳は、木くず26%、コンクリ18%、金属4%、混合物39%。
・相当量の漁網、養殖資材が海中にあると思われる。
・太平洋セメントで、廃棄物をつかったセメントの生成を実施する。11月から、1,000トン/日の処理見込み。
・木材の塩濃度は、径が10〜15cmの場合0.04%。径が3〜4cmの場合0.11%。ギリギリ焼却できる範囲。

5.仙台市の現状
・仙台市の災害廃棄物は、ガレキ103万トン、ヘドロ130万トン、自動車約1万台。
・ガレキの6割はコンクリートくず。2割が木くず。残りは金属、瓦、石膏ボード等。
・海岸沿いの3ヵ所に仮置き場を設けた。破砕機や焼却炉を設置し、中間処理場にする予定。
・未登録業者の搬入もあるので、仮置き場の設置場所の公表は避けている。
・阪神大震災の災害廃棄物と同様のリサイクル率50%を目指すが、今回は津波によって塩分を含んだ廃棄物が多いのが特徴であり、塩分除去が課題。

6.石巻市の現状
・石巻市は人口16万人の都市。
・宮城県で発生した災害廃棄物の3分の1が石巻。616万トン。年間のゴミ処理量は5万8千トンだったので、およそ106年分。
・廃棄物のうち、約300万トンが損害・流失家屋、約200万トンがヘドロ。残りは廃自動車、廃船舶、廃家電、水産品、倒木など。
・陸地にある被災自動車は約2万台だが、海中にも同様の数あると考えられる。
・被災船舶は約2,400隻。そのほとんどは解体処分する。
・冷凍水産物は4万5千トン。その半分は70km沖合に海洋投棄、もう半分は山形県に埋め立てている。
・6月4日現在で、災害廃棄物の回収量は約10%。


7.仙台市仮置き場の視察


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一日に約1,500台のトラックが訪れる。この仮置き場の広さは40ha。120万立米の用地。現在は20万立米ほど溜まっている。


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90トン/日の仮設焼却炉を建設予定。「可燃」カテゴリのものをまずふるいにかけ、金属屑を取り除いた後に燃やす。塩分により炉が損なわれるかもしれないが、2,3年保てばいい。


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畳は別にして分けている。


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家電類は地面にシートを敷いて金属汚染されないようにしている。


2011062302.jpg
金属くず。
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