
東日本大震災によって、膨大な量の災害廃棄物が生じました。『環境ビジネス』6月号にて、災害廃棄物処理の特集が組まれていたので、その記事を整理してみます。
まず、「災害廃棄物」とは?
環境gooによると「地震や洪水などの災害によって、倒れたり焼けたりした建物の解体撤去に伴い発生する廃棄物のこと。」です。
3月11日の地震と津波によって生じた災害廃棄物の総量は、約2,490万トン。環境省が4月5日発表した数字ですが、「確認されている量」ということなので、さらに増える可能性があります。
それにしても、2,490万トンと言われても、ぴんと来ません。阪神大震災の1.7倍とのことですが……
東京湾の埋め立て量を調べてみました。『東京都廃棄物埋立処分場』のパンフレットによると、1年でおよそ60万トン。
つまり、今回の震災によって生じた災害廃棄物の量は、東京23区内のゴミ埋め立て量の"42年分"、です。埋め立て予定地が、ほぼ満杯になります。
(リユース/リサイクルされたり、破砕/焼却処理されるので、排出量=埋め立て量ではありません。排出量は1年間に約300万トンです)
これはものすごいスケール……
内訳を見ると、宮城県が約1,600万トン、岩手県が約600万トン、福島県が約290万トンです。
なお、『茨城新聞』によると、茨城でも50万トンの災害廃棄物が生じたようですが、これは勘定には入っていないようです。
http://www.ibaraki-np.co.jp/news/news.php?f_jun=13040071755317
この災害廃棄物をどう処理していくか。最も量が多い宮城県では、3カ年の計画を立てているとか。
1年目:住宅地のガレキを1次置き場に移動。
2年目:ガレキを2次置き場に移動。沿岸部の複数箇所に、大規模中間処理場を作り、稼働させる。
3年目:ガレキを中間処理場にて、リサイクル/処分。
ちなみに、海水の塩分を含んでいると、焼却炉を損なうので、単純に燃やすことは難しいようです。
廃棄物資源循環学会の「災害廃棄物対策・復興タスクチーム」によって、撤去のマニュアル作りや、1次置き場での分別、等が行われているとのこと。
東北地方の大手鉄鋼リサイクルメーカーは、ほぼ復旧し、稼働しているようです。
ポイントは、
・ものすごい量の廃棄物が生じた。まずは撤去に集中する。
・ただし、なるべく上流工程で分別した方が効率的なので、撤去しながらの仕分けをブラッシュアップし続ける。
と言うことでしょうか。
今度、一次置き場の取材に行ってみようと思います。
【東日本大震災「復興支援と災害廃棄物」の最新記事】