村の看板からして、空き瓶でできています。
コミュニティ事務所の応接室。テーブルと向こうのイスは廃タイヤ製。手前のイスには、細かく裂いたプラスチック包装をいれて、模様にしています。奥にかかっているバッグも、すべて廃プラスチックをリメイクしたもの。
これはミロの空きパックで作ったカバー。家庭やオフィスで使われる給水器にかぶせて、埃よけに使います。こうしたエコプロダクツがオフィスで販売されていました。
スクナン村の活動は、エコプロダクツの制作にとどまりません。
こちらは街のコンポスト施設。
「各家庭にもコンポストが普及するように努めています」と、スタッフのHartiniさん。様々な種類のコンポスト装置を作り、販売しています。
たとえば、この素焼き製の壺は125,000ルピア(約1,250円)。同じ大きさのプラスチック製になると270,000インドネシアルピア(約2,700円)です。
また、ゴミの分別を徹底し、缶・瓶・ペットボトル・プラスチックなどは、この倉庫に保管して、一定量溜まったらまとめて業者に売却しています。
過去の記録が残っていました。2010年12月19日の売り上げは、717,750インドネシアルピア(約7,170円)です。
通りのゴミ捨て場にはファニーなペイントをされたゴミ箱が。中をのぞいてみましょう。
〈紙〉
〈空き瓶、ペットボトル〉
〈プラスチック〉
プラスチック製である200mlサイズのミネラルウォーターの容器が「空き瓶、ペットボトル」の中に入っていましたが、おおむね分けられています。
道にあるゴミ箱としては、今回訪れた7カ国のうち、最も分別されているゴミ箱でした。
10年前には、村民は当たり前のようにポイ捨てをしていました。田んぼもゴミだらけ。また、プラスチックゴミは野焼きして処分するので、有害な煙により空気も汚れていました。
「ぼくはこの村の出身じゃ無いけど、なんとかしたいと思ったんだ」
メンターのIsswantoさんは熱く語ります。
「でも、街でやっているように、車でゴミ収集をしたのでは、お金がかかる。良い仕組みはないものか…… そう考えていたとき、スカベンジャーがゴミ拾いをしているのを見て、はっとひらめいた。彼らは、ああやってゴミを拾い、お金に換えてくらしている。この村でも同じことができるんじゃないかとね」
エコプロダクツの製造もコンポストの製造も、有価物の仕分け・売却も、じつは村民が分担して、「仕事」として行っています。たとえばエコプロダクツが売れた場合には、70%が制作者に還元されるという仕組みです。
廃材リメイクを始めたのは2002年から、彼の奥さんが試作品のカバンを作り、作り方を指導していきました。
「生ゴミはコンポストにする。紙や瓶、プラスチックやペットボトルは資源業者に売る。それ以外の廃材リメイクする。ゴミになるものなんてないんだよ。10年前と比べたら、道はキレイになったし、仕事ができて、稼げるようになった。蚊も少なくなって、病気が減って良いことずくめさ」
将来はエコツーリズムの村にしていきたい、といいます。
「こんどの日曜日には、別の街から50人が見学に来るんだ。日本からも大学生が来たことがあるよ。そうやって、エコな取組を見てもらえるような村にしていきたいんだ」
もし、インドネシアに行くときは、この村の訪問を検討されてはいかがでしょうか。
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