
これはインドネシアの伝統的な市場。たくさんの野菜や果物、肉、魚が並びます。そして、野菜屑や、解体された鶏や豚の、臓物・骨などが捨てられていきます。そうした生ゴミは、都市ゴミの半分以上を占めています。このゴミをきちんと処理するために、インドネシアではコンポスト化の取組に力を入れています。
スラバヤ大学のNGO "PUSDAKOTA"は、スラバヤ市で活躍するNGOの一つです。スラバヤ大学に所属していて、コンポスト・水質浄化の研究と環境教育を中心に活動しています。


写真は、敷地内にあるコンポスト工場。近くの民家200世帯から集めた生ゴミを、破砕機で細かくしてから、土と混ぜます。堆肥化が進んでいる土は、定期的に、温度が高くなりすぎないよう、攪拌する必要があります(微生物の作用で土壌の温度は70度にも達します)。ここで作ったコンポストは、1kgにつき1,000インドネシアルピア(約10円)で、農家に販売しています。
PUSDAKOTAは、2000年に活動を開始しました。当初は、集めた生ゴミがうまく堆肥化できず、腐敗してひどい悪臭を放ち、大学から、やめろ、と非難を受けたこともあったそうです。
そんな中でも、より効率的に、コンポスト化ができるように研究を進め、2006年に北九州市の技術移転先となり、前回ご紹介したタカクラバスケットを共同開発しました。
現在はバスケットの普及に努めており、2009年は約1,000個、のべ10,000個以上販売しています。スタッフは22名。うち2人は現役の大学生です。

敷地内ではコンポストを使って野菜を育てています。

生ゴミ処理だけでなく、水質浄化にも取り組んでいます。大学のトイレの浄化もしています。

タカクラバスケットより多くの生ゴミを堆肥化できるように、攪拌しやすい箱を発明しました。

なんとローカルなラジオ放送もやっています。オフィスの中にスタジオがありました。

このNGOに見学へ行ったのは、ちょうどお昼時。スタッフが集まっていました。食事の前に、あるテーマ(生命など)に基づくスピーチをして、お祈りを捧げた後にランチとなります。

もちろん、食べ終わったあとは、生ゴミをすぐに回収。コンポストにすることは忘れません。