突然、東ティモールの学校でスピーチすることになりました。場所は、首都ディリのパブリックスクールです。
この2階建ての学校には、NHKの取材に同行して訪れました。教室の中を覗きながら、廊下を歩いていたところ、授業をしていた先生が、慌てるようにしてやってて、
「どこから来たんだい?」
「日本から来ました(怪しまれたかな……?)」
「何か話してってよ!さあさあ」
「!?」
と、いうわけで、気がつけば、教卓の前に立っていました。
「ぼくは、日本から、東ティモールのリサイクルについて調べに来ました」
ポケットから飲みかけのペットボトルを取り出して、話します。
「みんなが飲んでいる水、このペットボトルは、飲み終わった後、ぽいって捨ててると思います。でも、日本では、このペットボトルから、この服を作っています。本当です。作り替えることができるんです。道に捨ててしまっては、ゴミですが、実はこれは宝物なんです。大事に扱ってください」
片言の英語を、先生が現地のテトゥン語に訳して伝えてくれました。東ティモールのペットボトルをリサイクルするにはまだ難しいですが、道路への散乱が、少し減るかも知れません。
こちらは、校長のVidal Brites Dos Santos氏。NHKのインタビューに答えています。
2004年、政府から、授業の際にはポルトガル語を使うようにという指示がありました。しかし、子どもたちにはポルトガル語が通じません。ポルトガル語の教材を使って、テトゥン語で授業するなど、併用を続けています。実際には、ポルトガル語を使う機会は少ないようです。また、地域によってはテトゥン語ではなく、まったく別の言葉が使われるなど、言語の混乱が続いています。
通学風景。子どもの人数に比べて教室や先生が少ないため、交互に登校します。早い時間帯は低学年、お昼から中学年、高学年といったシフト制です。
休み時間、NHKのカメラに、みんな興味津々でした!
気になるのは、みんな痩せており、太っちょの子が一人もいないこと。いまのこの国の"貧しさ"が垣間見えます。でも、外の意見をぐいぐいと集めて、授業に活用するような先生がいれば、きっと大丈夫でしょう。