「ここに並ぶ商品は、日本では、「不用品」。悪く言えば「ゴミ」です。でも、カンボジアの彼らは、ここで服や食器を買って、『日本の商品を買えるようになった!』と誇りを感じるんです。また、カンボジアには、日本向けのような質の高い物がほとんどありません。日本の皆さん、あなたが不用だと思うものは、宝物なんです。」
この熱いメッセージは、カンボジアでリサイクルショップを運営するスタッフ、菱田さんの言葉です。
今回は、カンボジアの首都、プノンペンで、日本の中古品を輸入販売しているリサイクルショップを取材しました。福島県のリユース・リサイクル企業、東都クリエート社が、カンボジアの企業と連携して展開している、店舗です。
案内していただいた、日本人スタッフの菱田さん(左)と、カンボジア人スタッフのNARETHさん(右)。
街の中心部に位置する一号店の店内。プノンペンの名前の由来であり、宗教のシンボルであるワットプノンの近くにあります。開店して2年目になりました。販売しているのは衣服がメイン。他には帽子やベルト、靴、バッグ、食器、ぬいぐるみなどが並びます。
衣服以外では、食器類が人気です。900個入荷した、味噌汁用の茶碗が1ヶ月(!)で完売しました。ほかに、「ネスカフェの空き瓶」等も売れてしまうとか。
価格帯は1ドル〜5ドルが中心。ちなみに、カンボジアでは現地通貨のリアルだけでなく、米ドルも幅広く流通しています。(ポルポトが通貨の使用を禁じた事が、影響しているそうです)
中古家電は(1)日本製は変圧器の取り付けが必要。(2)タイからそのまま使える中古品が入ってくる。(3)テレビは受像方式そのものが違う。などの理由で、販売が難しいようです。
商品は、日本から、1〜1.5ヶ月のペースでコンテナが送られてきます。コンテナが到着し、商品がどんっ、と入荷した日は、通常の2,3倍、500人近くの来客があるそうです。それも口コミで広がるというのですから、ファンが多い証拠です。
店長のステキな笑顔も、ファン作りの秘訣!?
なお、横浜港からシアヌークビルまで海路、そこからプノンペンまで陸路で運ぶと、コンテナ1本につき約7,000ドルの経費だそうです。カンボジアはまだ所得が低く、中間層が少ないため、利益を確保するには商品を吟味する必要があります。フィリピンで300ドルで売れるタンスが、こちらでは200ドルにしかなりません。でも、衣服をプレスしたものを、タンスと同じ体積のぶんだけ運べば、1,000ドルで売れます。このように、コンテナのスペースをいかに利益転換するかが重要だと教わりました。
こちらは街の南部に位置する「SAKURA RECYCLE SHOP」。2010年の10月に開店したばかりですが、平日も賑わっています。
日本語学科を卒業したスタッフが、商品の値付け作業を行っていました。
もともと、カンボジアの人々のためになることをしたいと、NGOに携わっていた菱田さんにお話しを伺いました。
「ポルポトの独裁から30年たち、カンボジアでは、貧しいながらも一生懸命新しい社会を築こうとしています。でも、若者はなかなか仕事に就くことができません。かつてはNGOの『支援』があちこちで行われていましたが、これからはビジネスで、『働くチャンス』を彼らと一緒に築いていく時代です。」
「2011年の2月には、世界遺産アンコールワットがある街、シェムリアップに出店する計画です。また、IT事業部を立ち上げ、DATABASEがらみのwebサイト製作や、サーバーのホスティングサービスも行っていきます。」
「日本で、自分をもてあましている人。ここには大きな可能性があります。将来に必ず役立つ経験ができます。一度来てみれば分かります。一緒に活躍しませんか? ぜひ気軽に相談してください! (生活費もものすごく安く済みますよ!)」
面白そうだ! という人は、菱田さん宛てにご連絡をどうぞ!
jhishida@yahoo.com
とても勉強になります!!
記事楽しみにしてます!