2011年01月22日

歌声はゴミを減らせるか!? ハノイ市の3Rプロジェクト


この映像は、ハノイ市で放映されている、リサイクル促進のためのCMです。



対して、こちらが日本のCM。……あれ、似たようなテンションですね。


ハノイ市の人口は、2008年に620万人だったのが、翌年には645万人と、急増しています。ハノイ市の最終処分場である、Nam Sonゴミ処理場には、毎日3,800トンのゴミが運ばれています。このまま推移すれば、2016年までに、処分場が一杯になってしまう計算です。なお、焼却処分されるのは、医療系ゴミのみで、あとは全て埋め立てられているそうです。(※缶・瓶・ペットボトルなどの有価物は、行政とは別に、スカベンジャーの手によって回収されています。)

そこでハノイ市では、"3R"――Reduce(排出削減)、Reuse(再使用)、Recycle(再資源化)――を進めようと、さまざまな取り組みをしています。

2006年〜2009年にかけては、JICAの支援も入り、「3R-HNプロジェクト」が行われました。冒頭のCMは、この期間に作られたものです。3Rソングを流す街宣車も、毎週土曜日に走りまわっています。

また、「MOTTAINAI Fair」というイベントも行われています。学生団体と連携して、ステージパフォーマンスや、フリーマーケット、物々交換会などが行われているそうです。2008年から2年間で、6回開催されました。来場者数は最も多い時で、1万人を超えています。



こちらがイベントの映像です。


こうした宣伝活動とともに、ゴミの分別収集が、ハノイ市の4つの地域(Thanh Cong地区, Phan Chau Trinh地区, Lang Ha地区, Nguyen Du地区)でトライアルされています。合計で約18,000世帯が住む広さです。


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オレンジのゴミ箱は無機物、緑のゴミ箱は有機物です。ベトナムは日本と比べると、生ゴミの排出量が多いため、このような分け方となっています。つまり、堆肥にできる有機物ゴミを集めて、農業に活かせれば、ゴミの大部分がリサイクルできる、という訳です。

有機ゴミは、スペインの支援によって建設された、Cau Demコンポストプラントに運ばれています。しかし、残念ながら、ビニル袋など異物の混入がまだ多く、質の高い肥料を作るには至っていないとの事です。

タイのピサヌルーク市では、「なぜ必要なのか?」「どう分ければいいのか?」という説明会を数百回となく行い、また住民にリサイクルの利益を還元することで、分別収集に成功しつつあります。

もちろん、ハノイ市でも、説明会は幾度と無く開催されているそうですが、今までの習慣に無いことをやってもらうのは、大規模なプロモーションだけでなく、地道な活動を、徹底的に、継続していく事が、必要だと感じました。


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ハノイ市環境公社の皆さんです。中央が国際部のLAN部長、その左隣が部下のTHUYさん。左端は海外青年協力隊の小宮山さん、右端は長沼さんです。ありがとうございました。頑張ってください!


posted by 瀬戸義章 at 12:48 | Comment(0) | 3カ国目「ベトナム」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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