3階建ての立派な家。そのはずですが、なぜか庭には大量のダンボール。この不思議なお屋敷があるのは、ベトナムの首都ハノイから、北東へ約60km離れた場所にあるズオンオ(Duong O)村。村全体で、古紙回収・製紙・運搬といった、紙リサイクルを行う「リサイクル村」の一つです。
ハノイ工科大学が2003年に実施した調査によると、こうした「リサイクル村」はベトナム全土で約90あるそうです。面白いことに、村によって「紙」「鉄」「プラスチック」など、扱う素材が専門化しているといいます。確かに、このズオンオ村は、
至るところで紙リサイクルの仕事をしています。
村を1時間ほど歩き回りましたが、小さな雑貨屋を除いては、ほとんど全ての建物で、紙リサイクルをしていました。それも、住まいと工場が非常に密接しています。たいていが隣の建物。玄関前に小型の製紙機械、という家もありました。
都市部で(これは日本からやってきたようです)使用され、回収されたダンボールは、
溶かされ、パルプとなり、
再生紙となります。
ここでは、トイレットペーパーが作られていました。
そしてまた、都市部へと運ばれていきます。
なお、ボイラーの燃料は薪でした
玄関先でも再生紙を作っています。
これはお正月(もうすぐ旧正月です)の飾り用かな?
元が「ゴミ」だけに、仕入れ値を抑えられるため、利幅が大きく、結果として成功者が「リサイクル御殿」を手に入れた、という訳です。ちなみに、通りにレクサスが走るのを見かけました。
ゴミをリサイクルして、生活も裕福になる。一見、良い事尽くめに思えますが、残念ながら、一方で健康被害・環境汚染を引き起こしています。なぜなら、排水や排煙の浄化装置が取り付けられていないため、汚染物質が垂れ流し、になっているからです。
「法律で規制しても、勝手にやってしまう」URENCO(ベトナム都市環境公社)のManager、LANさんはそう嘆いていました。
次回はプラスチックのリサイクル村をご紹介します!