インタビュー第二段。今度はSkypeを使って、Mr.Jackが担当している"GIN(Grassroot Innovation Network)"の話を伺いました。
――どういう活動なのですか?
「タイの東北、プリラム県で、有機農法を促進するprojectです。南部のように二期作・三期作をすることができないので、生産性が低い零細農家に対し支援しています。
農地は広いので、その一角を使ったテストからスタートしました。
有機農法は、簡単に言えば化学肥料を使わない農業です。お金が潤沢にあるわけではないので、新たなものを買うのではなく、あるものを工夫して生産性を上げよう、というわけです。
生ゴミや牛・馬の糞、水草、土壌のミネラルをうまく配合して肥料を作っています。」
――どれくらいの規模なのでしょうか?
「主には12の村を対象としています。ひとつの村は200世帯ほどですから、約2,500世帯ですね。これら家から出た生ゴミなどを、コンポスト工場に集めて肥料を作っています。」
――良い有機肥料を作るためには、有用微生物を集める必要があると聞きましたが、それはどうしているのですか?
「もち米を使っています。蒸したもち米を竹や稲の根元に置いておき、そこから微生物を採取するんです。ホワイトボードにイメージ図を書いてもらいますね。」
――面白いですね。それはあなたが考えたのですか?
「いいえ。これは昔の方法で、それを復興したにすぎません。こんなふうに、地元の知恵を集めて、うまく活かしています」
――GINの現状と、これからについて教えてください。
「現状では、有機農法によって、作物や肥料、オーガニックな殺虫剤などが作れるようになっています。この市場を中部や北部に広げていくのが、今後の課題ですね。」
――最後に、日本に向けたメッセージをお願いします。
「有機農法で作られた作物を買うことは、農家と消費者の両方にとって良いことです。ひいては、人類社会をサステナブルにすることに繋がります。
また、僕たちの活動は、先日、朝日新聞に取材されました。1月下旬に発行されるそうなので、ぜひそれも読んでください。」
Mr.Jack、ありがとうございました!