タイ語で書かれたこの掲示板。実は、ゴミを出すときの、分別の仕方が書いてあります。ご覧の通り、かなり細かく。ペットボトルや紙、瓶、は言わずもがな、ステンレスやアルミの違いから、靴の分け方、まで表示されています。
この掲示板は、バンコクから列車で8時間ほど北上した、人口7万8千人の街、ピサヌルークにありました。この街を治める女性市長、Piem氏は、"ゴミゼロ宣言"を出し、タイの中でも、先進的なゴミ処理を行っているそうです。(ちなみに、タイにおける女性の社会進出は比較的進んでいて、政界の15%は女性の議員だそうです。)
今回、案内してくれた、ピサヌルーク市の職員、Noppadon氏。
訪れたのは、ピサヌルーク駅から車で5分の、リサイクル&レクチャー広場。公園のような雰囲気で、近隣の住民が、気軽に資源物を持ち寄れる場所です。
ここでは、掲示の通り、かなり細かく分別がされていました。瓶は色つきとそうでないもの、紙も白紙か色つきのもの、ペットボトルは本体とふたに、蛍光灯や電池も別々に、などなど、合計20種類近くに分かれています。細かく分別することで、品質の良い再資源化ができるようになるので、より高く売却することができます。
また、回収品を押しつぶすことで、運びやすくする圧縮機や、
木板を粉々にする破砕機など、専用のリサイクル機械もありました。かなり本格的な施設です。
この施設付近のコミュニティを束ねる、チェアマンのSaong氏。この施設を運営し、利益を上げ、設備を拡大しています。
そして、ここで行っているのはリサイクルだけではありません。"3R" ――Reduce(減量化)、Reuse(再使用)、Recycle(再資源化)――のレクチャーも行っています。
床の一部は、紙でできたブロックを利用しています。
こちらは、ハイネケンの空き缶を利用して作ったランタン、Saong氏の作品です。このように、実物を見ながら"3R"について学ぶことができるようになっています。冒頭の分別表も、この教室の中にありました。
「ゴミを減らすための最初のステップは、まず分別の大事さをみんなに知ってもらうことです。」Noppadon氏は言います。学校や、こうした場所で、数百回にわたって分別の大事さを伝える講義を行っているそうです。
「今では、市民も分別の意義を、だいぶ分かってもらえるようになりました。」
地道に伝え続ける。すばらしい活動です。
次回は、ピサヌルーク市のゴミ処理場での取り組みをお伝えします!