2011年11月12日

被災した防風林のリサイクル

●オフィス机/合板
「事務用品大手のイトーキ(大阪市)は、東日本大震災で津波被害を受けた仙台市沿岸部の防風林を使った机などの商品化に乗りだす。合板加工は製造大手セイホク(東京)の関連会社西北プライウッド(宮城県石巻市)が担う。イトーキは年内にも発売し、オフィス向けとして首都圏の企業などに売り込む方針だ。
仙台市沿岸部では防風、防潮林の役目を果たしてきたアカマツやクロマツなどが大量に被害を受けた。計画では西北は比較的品質の良い1000〜1500トンを合板に加工し、一部をイトーキが材料として仕入れる。
イトーキは既に商品化に向けた準備を進めており、今月12〜14日に東京で開かれる産直市などの復興支援イベントで試作品を展示する予定だ。
イトーキの柏ア寛東日本復興支援室長は『ビジネスとして成り立てば被災地支援になる』としている。
西北プライウッドの相沢秀郎常務は『環境保護のためにも合板にして活用したい。仙台市以外の宮城県内の自治体からも、被災した防風林を合板に活用できないかとの問い合わせが来ている』と話している。(2011年11月05日 河北新報)」


●バイオマスチップ
「宮城県と合板大手のセイホク(東京)は、東日本大震災で発生した大量の木材がれきを、合板の原料やボイラーの燃料として再利用する取り組みを石巻市内でスタートさせた。
震災がれきを処理する県と同社が契約を締結。同社は津波を受けて操業停止に追い込まれたが、6月23日から本格的に工場の稼働を再開している。
処理される木材がれきは、石巻市南境の石巻商高に隣接する仮置き場にあり、セイホクグループの西北プライウッド(同市西浜町)のチップ製造工場にトラックで搬入される。工場では作業員の手作業で大まかに異物を取り除かれたがれきが破砕機に入れられ、細かいチップに加工される。
チップは接着剤で成型され、家具や建築資材の原料となる。紙やビニールなどの異物が混じっている場合は、同社のバイオマスボイラーの燃料に利用される。がれきに含まれる塩分は2、3カ月、野ざらしにすることで抜けるという。
県によると、現在は1日約100トンを処理。1日300トン程度へ徐々にペースを引き上げ、3カ月で約3万5000トンの木材がれきを再利用する計画。焼却した場合の数分の一に処理費用を抑えられるとしている。
環境省の推計では石巻市のがれき量は約600万トンと、被災地の中で突出している。西北プライウッドの相沢秀郎常務は『地元のがれきを最優先に処理し、復興に役立ちたい』と話している。(2011年07月16日 河北新報)」


2011年11月11日

緑を育てる産業廃棄物

TOKYO DESIGNERS WEEK 2011 で見つけたものシリーズその5。CMF DESIGN LINKの展示より。


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これは、ヘドロでつくられた屋上緑化材 "greenbiz"だ。極小の孔がいくつも開いたセラミック素材で、保水力に富む。この素材を開発したのは石川県の布地メーカー、小松精練である。

布地の染色によって汚染された水を、微生物によって浄化していた。しかし、その課程でどうしても余剰微生物が発生し「バイオマス汚泥」ができてしまう。その量は毎年6,000トン。処分には約1億2000万円から1億5000万円のコストがかかる。

このヘドロをなんとか活用できないか。2年間、試行錯誤した。


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そして生まれたのが、この緑化材だ。ヘドロに珪藻土や粘土を混ぜ合わせ、1,000度で焼成することで、スポンジ状のセラミックとなる。従来品の多孔構造が10〜100マイクロメートルだったのに対し、"greenbiz"は3〜100マイクロメートルの孔を無数に持つ。その微細な孔による保水力や断熱効果をより高めた。屋上緑化だけでなく、壁面の断熱、さらには歩道・車道に用い、ヒートアイランド現象の緩和が期待されている。

ちなみに、環境省の資料によれば、平成20年度排出された産業廃棄物の総量は、約4億366万トン。そのうち約44%を「汚泥」が占めている。汚泥の排出総量は約1億7,611万トンだ。

小松精練は、産廃を自社で活用することで、大きなコスト削減に繋げた。日本全体で産廃の再利用率は53%。まだ「資源」を活用する余地がある。



posted by 瀬戸義章 at 11:45 | Comment(1) | 準備編2 「日本のゴミ事情」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月10日

野菜の"紙"

TOKYO DESIGNERS WEEK 2011 で見つけたものシリーズその4。CMF DESIGN LINKの展示より。


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左から、唐辛子、南瓜、水菜。これは、野菜100%でできた"紙"だ。厚さは0.2ミリ。いずれも「食べる」ことができる。

この野菜リサイクルペーパーは、京都工芸繊維大学株式会社精膳の研究によって誕生した。きっかけは、タマネギの皮やにんじんの葉・大根の葉といった野菜の未利用部分を、なんとか活用できないかというモッタイナイの発想。

"紙"の生成には、和紙をすく技術が応用されている。接着剤などの添加物は加えられていない。

『日本農業新聞』の記事によると、「手巻き寿司や春巻き、味噌汁の具などを想定」とあるから、もともと"紙"ではなく"食べもの"としてつくったようだ。繊維質が豊富なため満腹感を感じやすく、また抗酸化物質を多く含むため、メタボ予防に良いらしい。

"紙"としての使いみちはあまり考えられていないようだ。長期保管するような品質ではないだろうけれど、イベント的な使い方ならできそう。

うーん。レストランのメニューをこれでつくって、そのまま調理に使ったら面白いかな。



posted by 瀬戸義章 at 21:58 | Comment(9) | 準備編2 「日本のゴミ事情」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月09日

"花"でテーブルを作られる技術

TOKYO DESIGNERS WEEK 2011 で見つけたものシリーズその3。CMF DESIGN LINKの展示より。


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花や枝、木の実でできた板。


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左の板は、シュレッダーを通した紙屑でできている。
右の二枚は、ウールの廃繊維からつくられた。

木の実や紙屑をただ押し固めたとしても、
ボロボロと崩れてしまうけれど、
樹脂を使ってプレス成形することで、
板にもなるし、ブロックにもすることができた。

メーカーがこの広報を利用して、
製造過程で生じる廃材から家具などを作ったら面白いと思う。

ちなみに、新丸ビル十階にあるイベントスペース"エコッツェリア"では、
携帯電話のカバーでつくられたテーブルを見ることができる。



posted by 瀬戸義章 at 19:45 | Comment(0) | 準備編2 「日本のゴミ事情」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月08日

ASHIBA

Tokyo Designers Week2011で見つけたものシリーズその2。


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ASHIBA」とは、建築現場で使用されていた"足場"を再利用した板材。現場で使い込まれた杉の足場板が、カフェの内装などにふたたび使われます。傷やペンキやサビ跡が、逆に味になっていますね。

今はもう、スチールやアルミなどの金属製足場しか使われていないと思っていましたが、場合によっては木の足場も使用されているそうです。建物の形に合わせて現場でカスタマイズ(切ったり、穴を開けたり)できることが良いようで、とくに西日本で根強い人気があるとか。

足場板の品質は現場スタッフの生命を預かっているため、強度が落ちる三〜五年でその役目を終えます。従来はそのまま処分されていたものですが、ただ捨てるのはモッタイナイ、ということで、商品化されることになりました。建築現場資材のリースをしていた株式会社WOODPROの中本会長の発案です。

口コミで人気が高まり、カフェギャラリーやアンティークショップ、デザイナーの自宅兼事務所などから引きあいがあるそうです。

詳細はこちら


posted by 瀬戸義章 at 22:08 | Comment(0) | 準備編2 「日本のゴミ事情」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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