なぜここは貧しいのでしょう? その理由はいくつもあるでしょうが、確かな一つは「行くのがとっても大変」だからです。

これは、Oecusse県都のPante MacassarからSuniufe地方の村に行く途中です。川には橋が無く、車で渡れず、こうして荷物を担いでいくしかありません。
収穫の量を増やそうにも、製品をつくろうにも、商品を販売しようにも、経済活動をしたくても、人やモノの行き来が容易でなければ、それもままなりません。

これまで訪れた東南アジア各国の街には、スカベンジャーと呼ばれる、ゴミを拾って生計を立てる人々がいました。しかし、東ティモールには、ペットボトルや空き缶など、他の国の貧しい人が見れば飛びつくような、ゴミがたくさん落ちています。買い取ってくれるところまで、運ぶことができないからです。運ぶ手間がかかりすぎて、コストが見合わないからです。
ここには、「コストゼロの仕入れ販売」である、「リサイクル」すら届いていません。
ところで、「行くのがとっても大変」を実感したのは、Suniufeからの帰り道です。2月の東ティモールは雨季。夕方には雨が降ります。
帰り道はどうなったでしょうか? 答えは次回。