2011年03月31日

環境NGO"PUSDAKOTA" コンポストの取組inインドネシア#3

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これはインドネシアの伝統的な市場。たくさんの野菜や果物、肉、魚が並びます。そして、野菜屑や、解体された鶏や豚の、臓物・骨などが捨てられていきます。そうした生ゴミは、都市ゴミの半分以上を占めています。このゴミをきちんと処理するために、インドネシアではコンポスト化の取組に力を入れています。

スラバヤ大学のNGO "PUSDAKOTA"は、スラバヤ市で活躍するNGOの一つです。スラバヤ大学に所属していて、コンポスト・水質浄化の研究と環境教育を中心に活動しています。


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写真は、敷地内にあるコンポスト工場。近くの民家200世帯から集めた生ゴミを、破砕機で細かくしてから、土と混ぜます。堆肥化が進んでいる土は、定期的に、温度が高くなりすぎないよう、攪拌する必要があります(微生物の作用で土壌の温度は70度にも達します)。ここで作ったコンポストは、1kgにつき1,000インドネシアルピア(約10円)で、農家に販売しています。

PUSDAKOTAは、2000年に活動を開始しました。当初は、集めた生ゴミがうまく堆肥化できず、腐敗してひどい悪臭を放ち、大学から、やめろ、と非難を受けたこともあったそうです。

そんな中でも、より効率的に、コンポスト化ができるように研究を進め、2006年に北九州市の技術移転先となり、前回ご紹介したタカクラバスケットを共同開発しました。

現在はバスケットの普及に努めており、2009年は約1,000個、のべ10,000個以上販売しています。スタッフは22名。うち2人は現役の大学生です。


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敷地内ではコンポストを使って野菜を育てています。


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生ゴミ処理だけでなく、水質浄化にも取り組んでいます。大学のトイレの浄化もしています。


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タカクラバスケットより多くの生ゴミを堆肥化できるように、攪拌しやすい箱を発明しました。

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なんとローカルなラジオ放送もやっています。オフィスの中にスタジオがありました。


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このNGOに見学へ行ったのは、ちょうどお昼時。スタッフが集まっていました。食事の前に、あるテーマ(生命など)に基づくスピーチをして、お祈りを捧げた後にランチとなります。

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もちろん、食べ終わったあとは、生ゴミをすぐに回収。コンポストにすることは忘れません。


posted by 瀬戸義章 at 02:18 | Comment(2) | 7カ国目「インドネシア」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月29日

生ゴミを消す魔法のバケツ! コンポストの取組inインドネシア#2

インドネシアのスラバヤ市で生まれた「魔法のバケツ」が、生ゴミ対策の切り札として注目を集めています。

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一見、洗濯物カゴのようなこの箱、通称「タカクラバスケット」。株式会社ジェイペックの研究員である高倉氏が、スラバヤ市のNGOとともに開発した、生ゴミをコンポスト化する容器です。北九州市の技術協力プロジェクトの元に実現しました。


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タカクラバスケットの利点大きく分けて二つ。ひとつは、早くコンポスト化できること。通常であれば生ゴミを堆肥化するのに2〜3ヶ月かけていたのが、この容器を使えば、2〜3週間でコンポストにできます。


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もう一つの利点は、安価であること。洗濯物カゴや段ボール、もみ殻など、かんたんに手に入るものを組み合わせて作れられています。現地の販売価格は、一箱120,000インドネシアルピア(約1,200円)です。


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堆肥化はきわめて簡単。生ゴミを入れて、移植ごてでかき混ぜるだけ。化学反応が進んでいて、土が温かくなっています。もっともコンポスト化に適した温度は60〜70度だとか。


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かき混ぜたあとは、保温のために、もみ殻を入れたネットをかぶせます

このタカクラバスケット、2010年末に「ガイアの夜明け」でも紹介されていました。『〜世界を救う ニッポンの技術スペシャル〜』。道に積み重なっていた生ゴミが、このタカクラバスケットを導入したことにより、見事に消えたとか。

しかし、このバスケットを、すべての家庭で、毎日使ってもらえているのか? 普及には課題もあるようです。次回は、コンポストの普及啓発に取り組むスラバヤ大学の環境NGO PUSUDAKOTA(プスダコタ)をご紹介します。


posted by 瀬戸義章 at 16:07 | Comment(0) | 7カ国目「インドネシア」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月28日

道路の穴で生ゴミ処理? コンポストの取組inインドネシア#1

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インドネシアのジョグジャカルタ市では、よく道に穴が開いています。この、小さなマンホールのようなものが、あちこちにあります。住宅街の小道や玄関先でよく見かけます。いったい、何に使うのでしょうか。

ところで、インドネシアの廃棄物対策で、いちばん悩ましいのが、生ゴミ。都市ゴミの割合を見ると、50%以上が生ゴミと言われています(『資源環境対策 2007年11月号』)。そのため、各地域で、生ゴミをコンポスト化する取り組みが進んでいます。


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そう、この穴も、実はコンポストのための装置「ビオポリ」。道路にパイプが埋まっていて、ここに生ゴミを入れるだけで、2,3ヶ月経てば堆肥が作れる!

……たぶんそういう意気込みで設置されたのだと思います。うまくコンポスト化できれば、特殊な棒を使って取り出すそうです。

そんな面倒なことが続くのか、とか、そもそも堆肥にならず腐敗しそうだ、とか、雨が降ったらどうするんだ、とか、いろいろ思うところはあります。

そしてこのコンポスト装置、4,5年前に敷設されたものの、現在では使われていないそうです。あ、やっぱり。


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市の環境局に大量の在庫が残っていました。

問題はあったとはいえ、道路というインフラを使って、街にコンポストの仕組みを根付かせようじゃないか、という発想や意気込みには熱いものを感じます。

インドネシアのコンポストへの取組は、これだけじゃありません。続きます。

posted by 瀬戸義章 at 22:39 | Comment(0) | 7カ国目「インドネシア」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ジャンク品を使って優勝! スラバヤ工科大学のロボットたち

「ロボコン」をご存じでしょうか。NHKが毎年放送している、ロボット競技会です。国際大会"ABUロボコン(Asia-Pacific Robot Contest)"も開催されており、日本や中国、インドなどの大学が、ロボット技術を競い合っています。



(動画は2008年大会の様子)

インドネシアのスラバヤ工科大学も、強豪校の一つ。2001年に優勝した経験があります。この大学では、ロボットがジャンク品市場で集められた中古パーツで作られている、という話を聞いて、大学を訪れました。

……「ジャンク品でロボットを作っている」という情報だけで、車でキャンパス内を移動するような大学に、のこのこやってきました。

ところが、会う人会う人が非常に親切。ロボットを製作しているスラバヤ電子工学ポリテクニックまで、車で送ってもらい、実際の制作風景も見学させてもらいました。


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体育館のようなところで、ロボットの製作と試運転が行われています。


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学生が寝泊まりしながら作ります。


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過去のロボコンに出場したロボットが、並んでいました。このロボットに使われているモーターは、ジャンク品の再利用だそうです。


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このキャタピラは、コピー機のパーツを流用しています。

夏に行われる2011年大会の最新型も見せてもらいましたが、残念ながら撮影はNGでした。


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この学部は、1987年にJICAのプロジェクトにより開設されました。校舎も日本のODAで建てられ、教授陣も日本で研修を受けています。どうりで、日本人に対する好感度が高いわけです。後日、ジャンク品市場まで、車で案内してくれました。


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大学から車で20分ほど走った先にある、「どろぼう市場」、Pasar Loak。様々なジャンク品が並びます。この中から、ロボットに使えそうな部品を見つけ出します。


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気性の荒いマドゥラ島出身者たちが店を構えているらしく、外に降りてカメラを構えていたら、危ない! と、車に連れ戻されました。


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案内してくれたのは左からバマ、ロディク、ルッキィ。いずれもスラバヤ工科大学の学生です。バマは2008年にインドで行われたロボコンに、操縦士として参加したこともあります。そんな彼から、質問を受けました。

「どうして、日本はエレクトロニクスが進んでいるのに、ロボコンは弱いの?」


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街のあちこちで家電やバイクを直している国と、壊れたら買い換える国の差、かな。

posted by 瀬戸義章 at 01:28 | Comment(0) | 7カ国目「インドネシア」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月25日

【東北関東大震災】被災地への支援物資運搬レポート 3月19日分まとめ

3月19日に、被災地への支援物資運搬に同行しました。いかに物資が運ばれているのか、twitterで実況しましたが、ブログにもその様子を記録しておきます。(※時刻は、ツイートした時間のため、実際の時間とはタイムラグがあります)

なお、この物資募集と運搬は、J-WAVE 81.3FM総合物流会社のウインローダーがコラボして行っている「J-WAVE Heart to Heart つなげる、ココロ」プロジェクトによるものです。


〈03.19 06:33 東京都東村山市恩多町倉庫〉
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4tトラックの中には、大勢の方々から、メッセージつきで届いた、
●食品/食器類(お米・カップ麺・レトルト食品・お菓子・割り箸・使い捨て食器・ラップ)
●衛生用品(歯ブラシ・歯磨き粉・消毒液・コンタクト洗浄液・マスク・ティッシュペーパー・ウェットティッシュ・トイレットペーパー・生理用品)
●ベビー用品(オムツ・粉ミルク・ベビー飲料・捕乳瓶)
●介護用品(介護オムツ・介護パンツ)
●防寒具(ダウンジャケット・セーター・スニーカー・長くつ・靴下・毛布・カイロ)
●燃料/バッテリー(携帯充電器・電池・軽油・灯油)
が詰まっています。


〈03.19 07:00 東京外環自動車道〉
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今回、支援物資を運ぶ、志村ドライバー。阪神大震災後、神戸に援助に向かった事もある、運転歴20年のベテランスタッフです。
「被災地の皆さん、待っててください。少しでも、本当に早く復興できるお手伝いをしたいです。今日一回行って終わりじゃありません。これから、僕らの仲間が何度も何度も行きます。ちょとずつでも、日に日に、前向きになれるように!神戸のときも行きましたが、そのときに感じたのは無力感です。自分の小ささを感じました。でも今回、こうしてお役に立てるのがすごい嬉しいです」


〈03.19 07:29 新倉パーキングエリア〉
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トラックの積載ギリギリの、灯油900リットルを積み込みました。


〈03.19 08:03 浦和料金所〉
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緊急車両の許可を受け、ステッカーを受け取ります。


〈03.19 10:12 白河インター〉
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白河ICを降りて、福島県白河市に向かいます。高速は道路が少し波打ってましたが、走行には問題ありません。あちこちに真新しい補修の跡が見えます。反対車線ではあちこちで作業中。3月24日には東北道も開通して、土木に携わる方々のすごさを感じます。

〈03.19 11:12白河市〉
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保管所に、軽油の一部を提供しました。代わりに、毛布350枚を受け取ります。世田谷区から届いたそうですが、余っているとのこと。深刻な燃料不足のため、余剰分をまわすことも、難しいようです。

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白河市の鈴木市長。「白河市では土砂崩れにより14名の方が亡くなりました。いまはとにかくガソリン!ガソリンが困ってる。あと、福島県ってだけで、みんな農産物が帰ってきてしまう。原発の遠くでも関係なしに。風評被害がすごい。」


〈03.19 12:39 安達太良サービスエリア〉
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出発から6時間。小休止。サービスエリア内には自衛隊やレスキューの方が大勢いらっしゃいました。応援の炊き出しをされていて、元気100倍です。

北からやってくる車のほとんどは、物資を届けたトラック、燃料を渡したタンクローリー、避難する人々を乗せた観光バスです。"運ぶ力"が発揮されています。


〈03.19 14:14 菅生パーキングエリア〉
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高速を降りる手前、最後の給油ポイントです。3000円分まで燃料を補給しました。


〈03.19 14:22 仙台南インター〉
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仙台市から塩竃市へと向かいます。津波によって、道路に車が、船がうち捨てられていました。実際に目にするのは、非常にショックでしたが、悲劇を観光しに来たわけではありません。言葉を失ってる場合でもありません。この道路で見るべき「車を脇にどかして車道を通れるようにした人の力」です!


〈03.19 15:11 塩釜市役所〉
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耐震工事のおかげか、綺麗な建物が多いです。地震よりも津波の被害が甚大とのこと。


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来るまでの道路に粗大ゴミが並んでいましたが、部屋の中が、シャッフルされた家具と入り込んできた泥流でぐちゃぐちゃで、その片付けのためだそうです。


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水道管が割れているので上水場からタンクで直接水が運ばれます。工夫を発見。ペットボトルで作った給水用の口。 19日時点で水道の復旧率は2割、電気は約8割だそうです。


〈03.19 16:23 塩竃市 清掃局〉
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倉庫に灯油を提供します。今日、ここの電気も復旧したそうです。このトラック以外にも4つの地域/団体から物資が届いていることが、ホワイトボードに記されていました。

塩釜市でも毛布は足りているようです。「前は寒かった。備蓄4,000枚もすぐ無くなった。でも広島からドンときたおかげで今は大丈夫」


〈03.19 16:57 塩竃市 体育館〉
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塩釜市への物資提供、荷降ろし風景。
「ホイ電池」
「うん便利」
「ホイおもちゃ!」
「おお、いいねェ」
「冷蔵庫!」
「冷蔵庫ぉ? なんだ、箱に毛布を入れてるんじゃねぇか」

軽快です。「鱈ぁあるから土産に持ってくかぁ?」だなんて。お茶目。


〈03.19 17:56 多賀城市〉
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毛布や食料、水を提供します。

災害対策本部の方より「おかげさまで毛布は足りてきています。避難されている方々も1万人から8000人に減りました。今一番不足しているのはガソリン、軽油、灯油です。ガソリンが無いため帰るに帰れない避難民の方もいらっしゃいます」

この方も、家に帰らずに支援活動を続けてらっしゃいますが、そんな疲れも苦しみも、微塵も感じさせない毅然とした、それでいて物腰の柔らかい方でした。


〈03.20 00:31 東村山市に到着〉
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帰ってきました! 志村ドライバー、運転お疲れ様です! 今回の実況、支援物資運搬の様子が少しでも身近に感じていただけましたでしょうか。

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思いをもって運ぶ人がいます。その支援のお手伝いをしたい! という方はコチラ

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