2010年12月06日

リサイクルのかなめ。フィリピンJUNK SHOP事情#1

フィリピンのリサイクル活動を支えている、といっても過言ではないのがJUNK SHOPです。スカベンジャーから鉄くず、缶、瓶、ペットボトルなどの「有価物」を買い集める店舗です。買い取った素材は、鉄工所などに、素材として販売しています。

フィリピンには数多くのJUNK SHOPがあります。ゴミ捨て場の近くだけでなく、街中にも。小一時間、大通りを歩けば、1,2軒は見つかるでしょうか。

これは、アロマゴミ捨て場にある、クリスティーナのJUNK SHOPです。彼女は映画『BASURA』の主人公。この地区の案内をしてくれました。




ちょうど、トラックを着けて、集めた有価物を運び出しているところでした。袋を覗くとダンボールなど紙類のようです。

「紙は重いの。濡れているから。」
「一番高く売れるのは、アルミやステンレス等のの金属だけど、ほとんどないわ。鉄くずも、紙も、ペットボトルも、瓶も、みんな安い。」

じっさいにどれくらいの相場なのか、調べてみることにしました。(続く)


posted by 瀬戸義章 at 18:50 | Comment(0) | 1カ国目「フィリピン」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月05日

ゴミを拾って人気者になる方法

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こんなありさまです。十重二十重に、というと大げさですが、画角に入りきらないほど、子どもたちに囲まれました。ちょ、押すなって(笑)。


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ホームステイ先はマニラではなく、ブラガンという地方都市なのですが、道路には、あちこちにゴミが落ちています。その種類を、実際にゴミを拾って、調べようと思ったのが発端です。


ゴミを拾っていると、道の近くで遊んでいた子供たちが、つつつ、と寄ってきました。姉弟でしょうか。タガログ語でなにやら話しかけられます。さっぱりわかりませんが、とりあえず笑顔で知っているタガログ語を並び立てるところから。

「マガンダン アーラウ(こんにちは)」
「サラーマット ポ(ありがとうございました)」
「マサーラップ(おいしい)」
なんとなく盛り上がっていきます。

「ワッラネー」
「(what's your name?かな。)YOSHIAKI! What's your name?」
「キム ポ」
「(ポ をつけると丁寧な表現だと聞いたから、礼儀正しいお姉さんなのかな)」

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そして、
「バスーラ(ごみ)。バスーラ」
と言っていると、手伝ってくれるではありませんか。


そして、すぐさま他の子たちも集まってきました。
葉っぱを入れようとする子に、それは違うよ、とか。
土にまみれた紙くずを持ち上げて、きゃあ、汚い! とか。
なぜか落ちていた下着に パンツ!パンツ!とか。
プラスティック、プラスティック!リズムを付けながら、とか。
いつの間にか、ゴミ拾い調査が、エンターテインメントになりました。


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ビニル袋は5分で満タンに。


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諸君、ご苦労であった!


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拾ったゴミの構成を見ると、左半分が容器包装プラスチック。それも、お菓子の包装がほとんどです。ええと、君たちが捨てたのかな?


右下にあるのはビニル袋。何かを買えば、必ずついてきます。また、お惣菜を店で買って、このビニル袋につめて、持ち帰るのも一般的。中央上にあるのは紙くず。その右には、たぶん、風で飛んだ洗濯物。

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タバコの吸殻とマッチもちらほら。


ペットボトルや瓶・缶は、本職のスカベンジャーが持っていったのか、見当たりませんでした。

それにしても、日本のgreen birdさんに習って、ゴミ拾いを演出したら、美化が進むのでは?
たとえば音楽を流して、歌でも唄いながら。毎週日曜日に、各地区で子供たちを集めて。終わったらカードにはんこを押すとか。たまったらお菓子がもらえるようにして。そう感じました。

posted by 瀬戸義章 at 21:17 | Comment(3) | 1カ国目「フィリピン」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月04日

ナイフと地方のゴミ処理場

隣町に大きなDump siteがあると聞いたので、連れて行ってほしいとお願いしました。ホームステイ先のブラタスから、隣町のギギントまで、トライシクル(サイドカーつきカブ)で約30分。滞在先の家族のひとり、Ronnelがトライシクルドライバーなので、頼りになります。


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到着した先がここなのですが、想像していた場所と違います。収集車がやってきて、ゴミを捨て、埋め立てる、といったゴミ処理場には見えません。


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聞くと、近隣の住民が勝手に捨てていって、こうなったとか。それが隣町まで有名な規模になるとは。ほかの場所でも、アンオフィシャルなゴミ捨て場がありそうです。


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このゴミ捨て場にも一人スカベンジャーがいました。彼のような存在は、アロマや、パヤタスなどの有名どころに限ったわけではなさそうです。


ところで、道すがら、このあたりの治安について話を聞きました。「この道でこの前、殺人事件が起きたんだ、夜10時、男の子がのどを切られて、頭を割られて 女の子もレイプされて殺された」

ちなみに、このスカベンジャーは刃渡り15cmほどのナイフを剥き身で持っていました。

私たちと出会うと、刃の方を持って、後ろ手にしたので、粗暴ではなさそうですが、決して、後ろには立たせないようにしました。
posted by 瀬戸義章 at 20:23 | Comment(2) | 1カ国目「フィリピン」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「いらない」から「いる」へ。ローテーブルをめぐる冒険。

以前の記事
「汚れたイスも売り物に! 不用品から商品への第一歩 #1」
 「日本からフィリピンへ。不用品から商品への第一歩 #2」
 「輸出=テトリス? 不用品から商品への第一歩 #3」
でご紹介した通り、日本で中古品として再販売できない不用家具は、フィリピンに運ばれ、商品として扱われています。
(店舗の写真が許可申請中につき、サマリーのみお伝えします)


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こちらが日本では粗大ゴミ扱いされてしまったローテーブル。


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たしかに、よく見ると傷だらけです。これを日本で買いたい、という人はいないかもしれません。これがフィリピンに輸出されると…


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"Yeah!" というリアクションをみせたのは、このローテーブルを購入したテスさん一家の次男。


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購入額は1,200ペソ(約2,400円)。交渉の末、300ペソ値引きされました。

「ちょうどローテーブルが欲しかったの。傷があるのは、確かに気になる。ほら、ここにも。でも、新品は高いし、長く使うものだし、この値段だったらちょうどいいと思う。」

「ちょっと前に買った中国製のチェストは、新品なのに1年で壊れちゃった。日本の中古品は、中国製の新品よりは信頼できる。」

「折りたたみできるのがとてもいい。家が狭いから。使わないときは、閉まっておけるでしょ。」

彼女の目には、このローテーブルは粗大ゴミとしてではなく、立派な商品として映っています。

「それに、かわいいでしょ。黒と灰色が好きなの。」


posted by 瀬戸義章 at 00:13 | Comment(0) | 1カ国目「フィリピン」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月02日

目をつぶって店に入ればそこはリペアショップ!フィリピンの修理事情

フィリピンにはたくさんのREPAIR SHOP(修理店)があります。今回、調査したのは、マニラから車で1時間ほど離れた、地方都市ブラガンの繁華街。屋台に路面店、ショッピングモールの中まで。徒歩20分圏内に10店舗以上はありました。


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ここは、テレビのREPAIR SHOP。


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テクニシャンのGIL ESPIRITU。"GUZMAN ELECTRONICS INSTITUTE"で3年修行し、ナショナルライセンスを取得したベテランです。修理費は、白黒のブラウン管TVで600ペソ(約1,200円)。薄型液晶TVで4,000ペソ(約8,000円)との事。


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サンダルの修理は100ペソ(約200円)、バッグの修理は120ペソ(240円)。


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傘の修理は100ペソ(約200円)でした。


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時計の修理は、残念ながら昼食時で誰もいませんでした。


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続いて、携帯電話のREPAIR SHOP。


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修理費は程度にもよりますが、およそ200〜400ペソ(約400円〜800円)とのこと。どうやってテクニックを身に付けたの? という質問には、"Experience"という答え。……大丈夫かな。


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ショッピングモール内にも、修理の看板。店自体は、ふつうのケータイショップのようですが。


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ポピュラーな乗り物、トライシクルの修理。


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タイヤ交換に1時間で250ペソ(約500円)。ちなみにトライシクルの価格は中古で40,000ペソ(約8万円)、新品で150,000ペソ(約30万円)だそうな。

ちなみに、フィリピンの平均月収は約3万円だそうです。8倍すれば日本の尺度になるとしたら、液晶TVの修理は64,000円、靴は1,600円、携帯電話は3,200円〜6,400円。こうしてみると、所得に比べて修理費が激安! というわけではなさそうです。

ちなみに、ホームステイ先には、壊れた洗濯機、液晶テレビ、エアコンがそのまま置いてあります。直さずに、手洗い、旧型テレビ、扇風機で代替。

また、サンダルの修理費は100ペソでしたが、マニラで購入したクロックスもどき、は108ペソでした。

製造が簡単な日用品は、新品のほうが安くなりつつ、電化製品はまだ修理も高くてできない、という二極化していると感じました。
posted by 瀬戸義章 at 23:55 | Comment(0) | 1カ国目「フィリピン」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする