2010年11月30日

クリスティーナへのインタビュー

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ドキュメンタリー映画『BASURA』の主人公、Christina Pazさんに話を聞いた。彼女は、スモーキーマウンテンで生まれ育ち、12歳からスカベンジャーとして生活。今はジャンクショップで働くかたわら、アロマゴミ処分場に暮らすこともたちへの支援活動を行っている。

――フィリピンの自治体は、ゴミ処分場の"フォーマル化"、つまり、スカベンジャーではなく、公的なリサイクルができるようにしていると聞きましたが、実際のところはどう感じますか?

「Not succesful.たぶん、そういう事をしたいんでしょうけど、うまくいっているとは思えないわ。」

――なぜうまくいっていないのでしょうか?

「Lazy.私たちはすぐに怠けてしまうから。それに、政府の役人がここに来たことなんてないわ。」

――それはどうやって克服すべきだと思いますか?

「Money.ひとつの解決策は、やっぱりお金だと思うの。ジャンクショップに持っていけば売れるから、スカベンジャーたちはゴミを集めている。家庭でもゴミを分別すれば、お金が手に入るようになれば、速いと思うのだけれど。一部の地域や学校では、ゴミ箱が設置され、分別のレクチャーやワークショップが実施されているけども、ちゃんとできるようになるには、まだ時間がかかりそうだから。」

――日本に対して望むことはありますか?

「今日は炊き出しをしてもらったけど、こうしたボランティア活動を、これからもずっと続けてほしい。むしろ私は、ローカルなフィリピン人にこそ、この現状を知ってほしいし、日本を見習ってほしい。」

posted by 瀬戸義章 at 22:56 | Comment(0) | 1カ国目「フィリピン」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月29日

ベッドマットにはハーブを。


アロマゴミ捨て場の居住区を歩いていると、馴染みのモノを発見!

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ベッドマット、ベッドマットじゃないか! と興奮しても、ツアーガイドやほかの参加者はきょとん、とした表情。ふつう、剥き身で見たことがないから、そもそも何かもわかりませんですよね。


ベッドマットは、日本の粗大ゴミのうち、リユース・リサイクルに頭を悩ますモノの一つです。人の手で布とウレタンと鉄に分けるには、ひとつのベッドにつき約30分、と時間がかかりますし、破砕機で砕いた後に分別するとしても、鉄製品なので、刃が磨耗し、コストがかかります。

フィリピンのこの地区では、住まいの壁として利用されているみたいです。

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なかには、ベッドマットに容器をくくりつけ、プランターとして利用している人も。


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「何を栽培しているのですか?」
「オレガノだ。絞ってからスープに入れると旨い」


この使い方が「消費されたベッドマットの理想形」とは思いません。ただ、生ゴミと糞尿と煤煙と泥水のにおいが始終たちこめ、ハエが飛び交うこの地区において、それでもなお、この使い方は、とても創造性に富んでいると思うのです。じわじわと感動を覚えました。


posted by 瀬戸義章 at 23:09 | Comment(1) | 1カ国目「フィリピン」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『BASURA』の世界へ

"Jumper is not allowed."

手書きの看板には、そう書かれていた。

「Jumperとはどういう意味?」同行してくれたクリスティーナに尋ねる。
「ゴミ収集車に飛び乗る人のことよ。たくさんのひとが集まるからとても危ないの」。







マニラ北西部に位置する、トンド地区のアロマゴミ捨て場。広さ2万平方メートル以上。クリスティーナによると、市内各地から、1日にトラック300台ものゴミが運ばれてくる。ゴミはここで船に詰まれ、別の島に運ばれていく。作業をしている車とパワーショベルの周りには、多くの「スカベンジャー」と呼ばれる人々。スカベンジャーの多くが、ここで一日中、働く。つまり、ゴミの中から、鉄くず、缶、瓶、ペットボトル、軟質/硬質プラスチックを探し出し、集め、そしてJUNK SHOPに売却する。


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去年、RA9001という法律によって、家庭ごみの分別が義務付けられるようになったそうだが、仕組みも意識も追いついていないようだ。生ゴミもプラスチックゴミも一緒くたにされて、荷台からどっと捨てられる。

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「どれくらい働くの?」
「朝の6時から夜6時まで。それで稼ぎが60ペソ(約120円)。」

彼には、奥さんと子供が二人いるそうだ。

「ここから出て、ほかの仕事をしたい。でも、なかなか見つからないんだ」

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フィリピンに20年以上暮らす、日本人ツアーガイドに話を聞いた。

この地区に住む人は年々減ってはいるらしい。もともと国有地で、勝手に住み着いている住民は立ち退きを命じられ、住宅が与えられるそうだ。しかし、中には、その住宅を売ってしまって、ここに戻ってくる事もいる。

新しい仕事が見つからなかったり、仕事が見つかっても税金が高かったり(ゴミ捨て場の生活には税金はかからない)、同じスカベンジャーをするには、近いほうが便利だからだ。

抜本的な対策は政府の政策からはずれており、この地区に進出しようとする物好きな企業も無い。

では、どうするか。

スカベンジャーと呼ばれているが、彼らがしていることは「リサイクル」だ。リサイクルは下流で行うよりも上流で行うほうが労力が小さい。各家庭できちんと分別すれば、ゴミの山から掘り出さなくてすむ。

問題が
・ゴミ分別をする、という意識が無い。
・分別したゴミを車で集める予算が無い。
の二点であれば、各家庭に訪問し、ごみ収集することを
彼らの新しい仕事とするのはどうだろうか。

街のあちこちに一時集積所を設けて、彼らが戸別訪問してゴミを集積する。日本の「新聞配達」のように

今でもしているかもしれないが、重要なのが、そこで分ける事を伝える、ということ。スカベンジャーはその職業特性上、どう分別すればお金になるか知っている。その分別の仕方を各家庭に伝えれば、ぐっとリサイクルがスムーズになる、気がする。パッカー車が入らない、あるいは混雑して身動きが取れなくても、小回りが利く。

これだけ、「働き者」がいるなら別の活かし方があると思う。今度会う自治体の人に聞いてみよう。


posted by 瀬戸義章 at 22:56 | Comment(0) | 1カ国目「フィリピン」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月28日

フィリピンでゴミ箱の中を覗く。

以前の記事(乾いているか濡れてるか? 東南アジアの分別事情)で、東南アジア諸国で排出されるごみは、生ゴミが多く、分別も「生ゴミ」と「それ以外」になっているらしい、と書きました。実際のところはどうなのでしょうか。


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MAKATY CITYを歩いていると、ゴミ箱を発見! なるほど「生物分解可能」と「生物分解不可能」で分けられているようです。前者はコンポスト化の処理をするのでしょう。ところが、


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biodegradableを覗くと、なにやら缶やレジ袋やプラスチックのコップが……


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non-biodegradableも変わらない様子。どうやら、きちんと分別されていないようです。分別の概念を伝えるところから、必要、ですね。日本も相当時間をかけたと聞きます。

MAKATYには大型ショッピングモールやホテルが多いので、どちらかというと富裕層や観光客が道を行くのでしょうから、「生ゴミ」は微妙かもしれません。もっと下町なら事情は別でしょうが、そういえばゴミ箱が見当たらなかったような。

それにしても道路はずっと混雑しているので、収集運搬にも苦労しそうです。

posted by 瀬戸義章 at 00:40 | Comment(0) | 1カ国目「フィリピン」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月27日

マニラを走るということは、時をかける、ということ。

2日目。朝からマニラを駆け回ります。

おびただしい匂いと人が混ざり合う市場から、高級ショッピングモールまでのマーケットを、ジムニーやバス、LRTといった乗り物を駆使して観てきました。その様子を、動画でご紹介します。



これは、カリエド駅の近くで毎日開かれている市場、「パレンケ」。服や靴、バッグに雑貨、野菜に果物、肉に魚に米、花、クリスマスの飾りなど、日常品がそろいます。消費者だけでなく、業務用品としての仕入れもここでしているとか。一番安い米で1kgあたり30ペソ(約60円)。



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次の移動で使ったのが、米軍のジープを改造して作った乗り物「ジムニー」。急加速、急発進の上、止まったときにすかさず乗り降りする、なかなかエキサイティングな乗り物です。料金はひとり7ペソ(約14円)





ガイドをしていただいたaikoさんの家を訪問。そのときに通った路地です。場所はPASAY CITY。空港に近い下町です。





こちらがaikoさん宅。二階建て玄関には二層式の洗濯機があり、娘さん(大学生と高校生)はfacebookで遊んでいました。1ドアの冷蔵庫。ガスコンロは中型のボンベから。シャワーはなく、水をためて浴びるそうです。最後にチラッと映るのは、近くのリサイクルショップで買ったという日本人形。



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レディーとの写真は旅行者のたしなみ。





続いて、PASAY CITYの隣にあるMAKATI CITYへ。下町のPASAYとは違い、高級ホテルが点在し、高層ビルが立ち並び、大型ショッピングモールがあつまる街です。バスからの眺めでも、今までの町並みとは異なります。バスの代金は11ペソ(約22円)。

ショッピングモールの中で買えるのは、ブランド品に洋服・バッグ、家電製品、化粧品におもちゃ、など。フィリピンだからといって変わらない、いわゆる「ショッピングモール」でした。違いをあげるなら、店員の多さ、でしょうか。日本の2,3倍はいます。10代にも見える若い人も多く、けっこう、スタッフ同士でおしゃべりしてます。



これはこっそり撮影した家具売り場。

この売り場にはあまり人はいませんでしたが、ショッピングモールの最寄り駅では、切符を買うのに20人待ち、電車に乗るのも一苦労、といった様子でした。

ここで商品を買えるのは、一部の富裕層なのかもしれません。しかし、人口が一億に届きそうなここフィリピンでは「一部」といっても馬鹿にならない数なのでは、と思いました。

そして、ここから車で30分圏内には、下町があり、さらに大勢の人がひしめき合っています。日本の現代と、何十年か隔てた過去が同居しているような感じでしょうか。これを格差、と片づけるのは簡単ですが、経済が成長し、仕事が増え、給料が増えれば、チャンスは間違いなく増えていきます。

道を歩いていると、キリッとした目つきをした、物乞いの男の子に出会いました。6,7歳でしょうか。彼が、彼らがその意思をさらに生産性の高い行動に振り分けられれば、10年後はさらに"別の国"になっているかもしれません。

posted by 瀬戸義章 at 23:34 | Comment(3) | 1カ国目「フィリピン」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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